日本大学商学部 総合型選抜・学校推薦型選抜の傾向と対策|評定3.3で出せる枠と、3,000字の事前課題

こんにちは、ふたがみです。

日本大学の商学部を年内入試で受けたい、という相談をよくもらいます。そのときに必ず聞き返すことが2つあります。「評定はいくつですか」と、「9月上旬に3,000字を出せますか」です。

この2つで、受けられる入試が決まります。

日大商学部の年内入試は、入口が2つあります。総合型選抜と、学校推薦型選抜の公募制です。評定の基準も、締切も、当日やることも、まったく違います。そして総合型のほうは、出願の時点で2,500字以上3,000字以内の小論文を書き上げて提出する必要があります。

この記事では、2027年度(令和9年度)の募集要項を1行ずつ読んだうえで、どちらの入口を選ぶか、何をいつまでにやるかを書きます。

結論

評定3.3以上あれば、総合型選抜に出願できます。

日大商学部の総合型選抜は、全体の学習成績の状況が3.3以上という要件です。英語資格も、学校長の推薦も要りません。年内入試としては、入口がかなり広いほうです。

ただし代わりに書かせます。出願時に2,500字以上3,000字以内の小論文を提出し、第2次選考ではその内容でプレゼンテーションをします。しかも小論文にはフィールド調査と、自分で作った図表と、参考文献一覧が必要です。

一方の公募制は、評定3.8以上に加えて、資格・検定か課外活動の実績が要ります。そのかわり当日は小論文と口頭試問だけで、事前に3,000字を書く必要はありません。

総合型選抜 学校推薦型選抜(公募制)
評定 3.3以上 3.8以上
資格・実績 不要 必要(下で詳述)
学校長の推薦 不要 必要
事前に書くもの 小論文2,500〜3,000字 なし
出願締切 9月上旬 11月上旬

評定が3.3から3.7の人は、実質的に総合型の一本道です。逆に評定3.8以上で資格を持っている人は、両方が視野に入ります。

基本情報

先に、この記事の数字の出どころを決めておきます。募集人員・出願要件・日程・選考方法は、すべて2027年度(令和9年度)の募集要項の数字です。倍率だけは実績値なので、2026年度入試の結果を使います。年度が混ざらないよう、表ごとに年度を書いています。

項目 内容
学部・学科 商学部 商業学科/経営学科/会計学科1
キャンパス 砧キャンパス(東京都世田谷区)1
年内入試の方式 2つ(総合型選抜/学校推薦型選抜 公募制)。ほかに校友枠選抜と指定校制があります12
募集人員(2027年度) 総合型 商業36・経営17・会計11(計64)/公募制 商業26・経営14・会計10(計50)12
出願要件 総合型は評定3.3以上+専願/公募制は評定3.8以上+資格または実績+学校長の推薦+専願12
専願・併願 どちらも専願。合格したら入学することを確約できる人が対象です12
入学検定料 35,000円(どちらの方式も)12
試験日 総合型 第2次選考 10月18日(日)/公募制 11月21日(土)12
倍率(2026年度) 総合型1.9〜2.5倍/公募制1.4〜1.5倍3

どちらも専願です。日大商学部の年内入試には、一般選抜と併願できる方式がありません。出願した時点で、合格したら入学する前提になります。

方式ごとの倍率

2026年度入試の実績です。受験者数を合格者数で割った値を倍率としています。

総合型選抜(2026年度)

学科 募集人員 志願者 受験者 合格者 倍率 2025年度の倍率
商業学科 32 148 148 60 2.5倍 1.8倍
経営学科 15 62 62 32 1.9倍 1.7倍
会計学科 10 22 22 11 2.0倍 1.7倍
計 57 232 232 103 2.3倍

商業学科が1.8倍から2.5倍に上がりました。志願者が増えています。3学科のうち、いちばん混んでいるのがここです。

一方で会計学科は志願者22名。募集10名に対して22名しか出していません。学科の選び方で通りやすさが変わります。

そして大事な変化が1つあります。2027年度は募集人員が57名から64名へ、7名増えました。商業が32から36、経営が15から17、会計が10から11です。倍率が上がったぶん、枠も広げた形です。

学校推薦型選抜・公募制(2026年度)

学科 募集人員 志願者 受験者 合格者 倍率 2025年度の倍率
商業学科 26 64 62 43 1.4倍 1.0倍
経営学科 14 16 16 11 1.5倍 1.3倍
会計学科 10 15 15 10 1.5倍 1.0倍
計 50 95 93 64 1.5倍

公募制は1.4倍から1.5倍です。総合型の2.3倍と比べると、通りやすさがはっきり違います。

理由は単純で、出願要件が厳しいぶん、出せる人が少ないからです。評定3.8以上に加えて資格か実績が要り、さらに学校長の推薦も必要になります。条件を満たせるなら、公募制のほうが数字のうえでは有利です。

総合型選抜

出願要件

3つすべてを満たす必要があります。

①専願であること。商学部を第一志望とし、合格したら入学することを確約できる人が対象です。

②商学の学問分野に強い関心を持つこと。

③全体の学習成績の状況が3.3以上。高卒認定などで出願する場合を除き、この基準が適用されます。

英語資格の要件はありません。英検を持っていなくても出願できます。ここは公募制と大きく違うところです。

出す書類

出願確認票・エントリーシート・学修計画書・調査書、そして小論文(事前課題)です。エントリーシートと学修計画書は大学所定の用紙で、6月上旬以降に商学部のサイトから取得できます。

この小論文が、日大商学部の総合型のすべてです。

事前課題の小論文は、作文ではありません

2027年度の課題は、CSV(共通価値の創造)の視点を持ったビジネスアイデアの提案でした。次の3つの社会課題から1つを選びます。

選択肢 社会課題
A スマホ依存症
B フードロス
C オーバーツーリズム

そして「単なる無償のボランティアではなく、持続可能な収益事業であること」が条件です。社会貢献のアイデアを書くだけでは要件を外します。

含めるべき内容も指定されています。

  1. ビジネスアイデアの概要
  2. フィールド調査の結果と分析・考察
  3. 論理的一貫性を持った事業計画の説明

2番のフィールド調査が、この課題のいちばん重いところです。地域の住民や生徒、事業者、市区町村の役所などへのヒアリング調査を実際に行い、その結果を示すよう求められます。しかも多数の住民へのアンケート調査は「住民に負担をかけるので控えること」と明記され、少数へのヒアリングだけが許可されています。

調査の進め方にも注意書きが並びます。事前に許可を得ること、約束した時間内で終えること、訪問の日時と場所を保護者に伝えること、悪天候時や夜間には実施しないこと。ここまで書いてある課題は、他大学ではあまり見ません。

様式の指定が細かいので、先に読んでください

項目 指定
文字数 2,500字以上3,000字以内(引用文献一覧と図表を除く)
用紙 A4横書き、余白は上下左右とも30mm
行数・字数 35行×40字を基本
文体 常体(である調)。敬体は避ける
図表 統計データに基づいた表か図を必ず1つ以上。画像をそのまま貼るのは不可で、自分で作ること
参考文献 一覧を必ず記載。本文中でも引用の手続きをとる
提出 郵送と電子ファイルのメールの両方。内容が違うと無効

文体が「である調」指定なのは見落としやすいところです。志望理由書の感覚で「です・ます」で書くと、様式から外れます。

図表も「画像をそのまま貼り付けてはいけない」と明記されています。統計データを自分で表計算ソフトに入れて作る必要があります。

そして郵送した紙と、メールで送った電子ファイルの内容が異なる場合は無効です。印刷したあとに手直ししてメールで送る、という順番だと事故になります。

生成AIで書くと不合格になります

募集要項の特記事項に明記されています。受験者本人以外の者(生成AIを含む)から過度な助言を受けたと認められる場合、あるいは本人以外が執筆したと判断される場合は不合格です。

電子ファイルの提出を求めているのは、剽窃と生成AIの使用を確認するためだと要項に書かれています。

教諭や保護者に相談すること自体は認められています。ただし「過度な助言」の線を越えると不合格です。自分の手で書いてください。

第2次選考はプレゼンテーションと面接

第1次選考は書類審査と小論文で、試験日はありません。結果は郵送で通知されます。

第1次を通過すると、第2次選考です。

内容 時間
プレゼンテーション(個別) 発表10分以内・質疑応答10分以内の合計20分以内
面接(個別) 10分

プレゼンの中身は、出した小論文そのものではありません。要項には「第2次選考試験日までに、提出した小論文の内容について自主学習を進めてください」「その後の自主学習での学びの内容を反映させたプレゼンテーションをしていただきます」とあります。

つまり9月に出して、10月18日までに調べを進め、その進んだぶんを見せる試験です。出して終わりではありません。

使えるソフトはPowerPointかGoogleスライドに限定され、ファイルは事前提出です。提出後の変更は誤字脱字を含めて認められません。

合否判定に、落とし穴があります

要項にこう書かれています。「各選考方法には、それぞれ合格最低基準を設けることとし、すべての合格最低基準を満たす者を合格とします」

書類・小論文・プレゼン・面接のどれか1つでも基準を割ると、他がよくても不合格です。総合点の勝負ではありません。

プレゼンに自信があっても、小論文の様式を外していたらそこで止まります。全部を基準以上に持っていくという組み立てで準備してください。

学校推薦型選抜(公募制)

出願要件は、在籍する学科で分かれます

普通科・総合学科と、専門学科で条件が違います。どちらも評定3.8以上が土台で、そこに資格や実績が乗ります。

普通科・総合学科の場合、評定3.8以上に加えて次のいずれか1つです。

# 条件
① 「外国語(英語)」の学習成績の状況が4.0以上
② 「地理歴史」「公民」のいずれかで8単位以上を修得し、その教科の学習成績の状況が4.5以上
③ 「商業」「情報」「家庭」のいずれかで8単位以上を修得し、その教科の学習成績の状況が4.5以上
④ 実用英語技能検定2級以上
⑤ GTEC(4技能)840点以上
⑥ TOEIC Listening & Reading 470点以上
⑦ 生徒会長・副会長、または文化・体育部の部長を1年間務めた実績

①に気づいていない人が多いところです。英検を持っていなくても、英語の評定が4.0以上あればそれで要件を満たします。資格を取りに行く前に、まず成績表を見てください。

そして⑦は資格ではありません。生徒会や部活で役職を1年間務めた実績でも出願できます。見込みも含まれます。

専門学科の場合は、評定3.8以上に加えて、日商簿記2級以上、全経簿記1級以上、全商簿記実務検定1級、全商情報処理検定1級、全商商業経済検定1級、ITパスポート試験、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験、英検2級以上、GTEC840点以上、TOEIC470点以上、または⑦と同じ役職の実績のいずれかです。

選考は3つ

書類審査・小論文・口頭試問です。試験日は11月21日の1日で完結します。

書類審査では、アドミッション・ポリシーと出願要件に照らして提出書類が評価されます。要項には「とりわけ、特定分野における卓越性や強い関心・意欲を審査します」とあります。

そして公募制にも、総合型と同じ「各選考方法に合格最低基準」の条件があります。小論文だけ、口頭試問だけでは通りません。

出す書類

出願確認票・出身学校長の推薦書・学修計画書・調査書が全員です。該当する人は課外活動等証明書または資格・検定試験等の証明書の写しを追加します。

推薦書は大学所定の用紙です。先生に依頼する必要があるので、出願期間に入ってから頼むと間に合いません。

総合型と公募制は、両方受けられません

正確には制度上の併願禁止ではなく、日程で決まります。

総合型の入学手続締切は11月9日、公募制の出願締切は11月5日です。総合型に合格した人は専願の確約をしているので、公募制に出すことはできません。

そして総合型が不合格だった場合を考えます。総合型の第2次選考の合格発表は11月2日、公募制の出願書類提出は11月2日から5日です。

総合型の結果を見てから公募制に出願する場合、動ける日数は4日しかありません。推薦書を先生に書いてもらう時間を考えると、総合型に出す段階で公募制の書類も並行して準備しておくしかありません。

道 組み立て 向いている人
A 総合型だけ 評定3.3〜3.7。3,000字を書き切れる
B 公募制だけ 評定3.8以上で資格または実績がある。事前課題を避けたい
C 総合型に出し、落ちたら公募制 評定3.8以上で資格もある。推薦書を10月中に用意しておくこと

Cを選ぶ人は、9月の時点で推薦書の依頼を済ませておいてください。総合型の結果が出てから動いたのでは、先生に書いてもらう時間がありません。

日程

2027年度(令和9年度)入学のスケジュールです。

方式 出願情報の登録 出願書類の提出 試験日 合格発表 入学手続締切
総合型 8月1日〜9月4日16時 9月1日〜9月4日必着 第2次 10月18日(日) 11月2日(月) 11月9日(月)
公募制 10月2日〜11月5日16時 11月2日〜11月5日必着 11月21日(土) 12月4日(金) 12月15日(火)

総合型の出願締切は9月4日です。年内入試の中でも、かなり早い部類に入ります。しかもその時点で3,000字の小論文が完成していなければなりません。

逆算すると、夏休みが勝負です。フィールド調査に行き、統計データで図表を作り、参考文献を整える。8月に着手したのでは足りません。

総合型の第1次選考の結果通知は9月30日で、速達で届きます。第2次までは18日しかないので、プレゼンの準備は結果を待たずに始めてください。

入学金をいつ払うことになるか

保護者の方が気にされるのはここだと思います。

総合型は11月9日、公募制は12月15日が入学手続の締切です。どちらも専願なので、一般選抜の結果を待つことはできません。年内に納入することになります。

入学時納入金は775,000円(入学金260,000円・前期授業料405,000円・施設設備資金85,000円・後援会費15,000円・校友会費10,000円)です。初年度の合計は1,280,000円になります。

なお、入学手続を済ませたあとに辞退する場合、令和9年1月30日17時までに電話で申し出れば、入学金を除いた金額が返還されます。期日を過ぎると入学金を含めて返還されません。

対策の順序

第1段階:評定を確定させる(高3の1学期まで)

全体の学習成績の状況が3.3を超えているかどうかで、道が分かれます。

3.8以上ある人は、あわせて英語の評定が4.0あるかを見てください。あれば公募制の要件を資格なしで満たします。地歴公民か商業・情報・家庭で8単位以上かつ4.5以上、という道もあります。

到達基準: 出願できる方式を、名前で言えること。

第2段階:総合型に出すなら、6月に課題を取りに行く(高3の6月)

事前課題と説明動画は、6月中旬までに商学部のサイトで公開されます。要項には説明動画を「必ず視聴してください」とあります。

到達基準: 3つの社会課題のうち、どれで書くかを決めていること。

第3段階:フィールド調査を実施する(高3の7月)

ここが総合型の山です。ヒアリングの相手を決め、目的を説明して許可を得て、時間を約束して実施します。訪問先によっては日程調整に2週間かかります。

到達基準: ヒアリングの記録が手元にあり、そこから言えることが3つ書き出せること。

第4段階:3,000字を様式どおりに書く(高3の8月)

常体で書く、図表を自分で作る、参考文献一覧を付ける。様式は要項に細かく指定されているので、印刷して手元に置きながら書いてください。

到達基準: 8月中に初稿を書き終えていること。9月に入ってから書き始めると間に合いません。

第5段階:出したあとも調べ続ける(9月から10月18日)

第2次のプレゼンは「その後の自主学習の成果」を見る試験です。9月4日に出して10月18日まで何もしていないと、話すことがありません。

到達基準: 小論文に書けなかった新しい事実や数字を、3つ以上足せていること。

公募制を狙うなら:推薦書を10月中に依頼する

出願書類の提出期間は11月2日から5日の4日間です。学校長の推薦書が要るので、10月のうちに先生へ依頼してください。

到達基準: 出願開始日の時点で、推薦書と調査書が手元にあること。

書類と面接の準備そのものは、方式を問わず共通です。志望理由の組み立ては志望理由書の書き方に、面接で見られることは総合型選抜の面接対策にまとめました。

同じ分野で読むなら

商・経営系で年内入試を考えているなら、次の3本と並べて見てください。評定の基準と、当日やることがそれぞれ違います。

同じ大学で迷っているなら

日本大学は学部ごとに入試制度がまったく違います。商学部の総合型は評定3.3以上で事前課題ありという設計ですが、これは日大の標準ではありません。

同じ日本大学でも、評定の条件は「教科別に4つ」「全体3.3」「要件なし」と3通りに割れます。学部を横断して比べるときは、学部ごとの募集要項の数字をそのまま並べてください。

年内入試そのものの全体像は、総合型選抜のすべてにまとめてあります。書類と面接を含めた組み立てを先に掴んでおくと、商学部の事前課題にどれだけ時間を割くかの判断ができます。


この記事は2027年度(令和9年度)入学試験の募集要項にもとづいています。最終更新: 2026年9月

出典

  1. 総合型選抜の募集人員・出願資格・出願要件・出願期間・選考方法・合否判定・日程・入学時納入金。日本大学商学部「令和9年度日本大学商学部 総合型選抜募集要項」https://www.bus.nihon-u.ac.jp/wp-content/uploads/2026/05/R09_%E7%B7%8F%E5%90%88%E5%9E%8B%E9%81%B8%E6%8A%9C%E5%8B%9F%E9%9B%86%E8%A6%81%E9%A0%85.pdf / 事前課題の内容・様式・図表と参考文献の指定・生成AIの扱い・プレゼンテーションの概要は 同「令和9年度日本大学商学部総合型選抜 小論文(事前課題)」https://www.bus.nihon-u.ac.jp/kyomu202606110930/ ↩
  2. 学校推薦型選抜(公募制)の募集人員・出願要件・出願期間・選考方法・合格発表・入学手続。日本大学商学部「令和9年度日本大学商学部 学校推薦型選抜(公募制)募集要項」https://www.bus.nihon-u.ac.jp/wp-content/uploads/2026/05/R09_%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E6%8E%A8%E8%96%A6%E5%9E%8B%E9%81%B8%E6%8A%9C%EF%BC%88%E5%85%AC%E5%8B%9F%E5%88%B6%EF%BC%89%E5%8B%9F%E9%9B%86%E8%A6%81%E9%A0%85.pdf ↩
  3. 2026年度の募集人員・志願者数・受験者数・合格者数・競争率。日本大学「入試結果」https://www.nihon-u.ac.jp/admission_info/application/date/result/ ↩

二神大輝|埼玉県内の学習塾で取締役・塾長。大学受験と総合型選抜の指導歴10年超。

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