専修大学経営学部 総合型選抜の傾向と対策|評定4.0の経営学科と、評定を見ないビジネスデザイン学科

こんにちは、ふたがみです。

専修大学の経営学部には、性格のまったく違う2つの総合型選抜が並んでいます。同じ学部の、同じ要項の中にです。

経営学科は、評定4.0以上と資格が要ります。この分野の年内入試としては、かなり高い設定です。

ビジネスデザイン学科は、評定の条件がありません。資格も要りません。既卒でも出願できます。かわりに、自分のビジネス構想をプレゼンテーションします。

この記事では、2027年度(令和9年度)の入学試験要項を読んだうえで、どちらが自分の入口なのかを決められるように書きます。

結論

評定で決めてください。

経営学科 ビジネスデザイン学科
募集人員 15名 10名
評定 4.0以上 条件なし
資格 5領域のいずれか必須 不要
既卒 不可 可(調査書を出せる人)
第2次選考 面接 小論文60分+プレゼンテーション

評定4.0以上で資格を持っているなら、経営学科です。当日は面接だけで、小論文もプレゼンもありません。年内入試としては当日の負担がかなり軽いほうです。

評定が届かない、あるいは資格がないなら、ビジネスデザイン学科を見てください。評定も資格も問われません。そのかわり、新しい事業をどう立ち上げるかという構想を、10分のプレゼンテーションで示すことになります。

そして両方には出せません。同じ学部の総合型で、2つの学科に出願することは認められていません。

基本情報

この記事の数字は、すべて2027年度(令和9年度)の総合型選抜入学試験要項のものです。

項目 内容
学部・学科 経営学部 経営学科/ビジネスデザイン学科1
方式 総合型選抜(2段階選考)1
キャンパス 神田キャンパス(東京都千代田区)1
募集人員 経営学科15名・ビジネスデザイン学科10名(計25名)1
出願資格 令和9年3月卒業見込み(全日制・定時制・通信制)。ビジネスデザイン学科は既卒者も可1
学科の併願 不可。総合型での両学科への出願、および学校推薦型選抜との併願は認められません1
他大学との併願 可。ただし合格した場合は入学することが前提です1
入学検定料 35,000円(ほかにサービス利用料)1
選考 第1次=書類審査/第2次=経営学科は面接、ビジネスデザイン学科は小論文とプレゼンテーション1
第2次の試験日 令和8年10月17日(土)1
合格発表 令和8年11月2日(月)11時1
日程(出願から手続まで) 出願 9月1日〜9月11日/第1次結果 10月9日/第2次 10月17日/発表 11月2日/手続 11月2日〜11月9日1
倍率(2026年度) 経営学科2.3倍・ビジネスデザイン学科3.6倍2

出願は9月上旬で締め切ります。WEB出願の登録期間は9月1日から9月11日までです。年内入試のなかでもかなり早い部類なので、夏の時点で準備が終わっている必要があります。

学科ごとの倍率と、第1次選考の通りにくさ

2026年度の実績です。倍率は志願者数を最終合格者数で割った値です。

学科 志願者 第1次の受験 第1次の合格 第2次の受験 最終合格 倍率
経営学科 35 35 32 28 15 2.3倍
ビジネスデザイン学科 47 47 19 18 13 3.6倍

ここでいちばん見てほしいのは、第1次選考の数字です。

経営学科は35名中32名が第1次を通過しています。ほぼ全員です。評定4.0と資格という条件で、出願の時点ですでに絞られているからだと考えられます。勝負は第2次の面接です。

ビジネスデザイン学科は47名中19名しか通っていません。6割が書類審査で落ちています。評定も資格も問わないぶん、大学は書類で選んでいるということです。

ここから準備の重心が決まります。ビジネスデザイン学科を狙うなら、志望理由書とプレゼンテーションの要旨に時間をかけてください。プレゼンの練習は、第1次を通ってからでは間に合いませんが、そもそも第1次で6割が落ちます。

経営学科

出願条件は4つです

4つすべてを満たす必要があります。

①専修大学経営学部経営学科での勉学を強く希望し、入学を志すこと。

②経営学やビジネスに強い興味を持っていること。

③全体の学習成績の状況が4.0以上。最終学年1学期まで(2学期制なら前期まで、4学期制なら2学期まで)の数字で見ます。

④指定された5領域のいずれかの資格を取得していること。出願締切日までに取得したものが対象です。

評定4.0は、商・経営系の年内入試としては高いほうです。同じ専修の商学部が3.8、日本大学商学部の公募制が3.8なので、ここだけ0.2ぶん上になります。

資格は5領域。複数あると加点されます

要項に「資格に関しては5領域(簿記・英語・情報処理・数学・統計)を、資格の難易度に応じて評価します。複数の領域の資格を有する場合は加点します」と明記されています。

領域 資格と水準
簿記 日商簿記検定3級以上/全商簿記実務検定1級(「会計」と「原価計算」の両方)/全経簿記能力検定上級
英語 英検2級以上またはCSE 2.0で1,980点以上/TOEIC Listening & Reading 500点以上/TOEFL iBT 49以上(2026年1月20日以前の受験)またはバンドスコア3.0以上(2026年1月21日以降)
情報処理 応用情報技術者試験・基本情報技術者試験・ITパスポート試験/情報検定(J検)の情報活用試験1級・情報デザイン試験上級・情報システム試験/ICTプロフィシエンシー検定(P検)1級/全商情報処理検定1級のビジネス情報とプログラミングの両方
数学 実用数学技能検定2級以上(「計算技能検定」と「数理技能検定」の両方に合格)
統計 統計検定1級(「統計数理」と「統計応用」の少なくとも1分野の両方)、準1級ほか

簿記の入口が日商3級からなのは、この分野では珍しいところです。専修の商学部は日商簿記2級以上、日本大学商学部の公募制も2級以上を求めます。経営学部だけ3級で足ります。

一方で英語は英検2級以上です。商学部が準2級からなので、同じ大学でも英語の条件は経営学部のほうが上になります。

そして複数領域で加点されます。簿記3級と英検2級の両方があるなら、両方出してください。1領域で出願はできますが、評価は取得数と難易度で変わります。

選考は書類と面接だけです

選考 内容
第1次選考 書類審査。出願書類をもとに総合的に評価します
第2次選考 面接。提出書類の内容について聞かれます

小論文もプレゼンテーションもありません。当日は面接だけです。

ただし要項に、面接では「高校生活・本学への志望理由に限らず、社会情勢・時事問題」についても聞く旨が書かれています。志望理由を暗記するだけの準備では足りません。

経営学科の入試なので、企業や経済の話題が中心になると考えてください。新聞の経済面を、面接までの2か月だけでも読む習慣をつけておくと違います。

ビジネスデザイン学科

評定も資格も問われません

出願条件に評定の基準がありません。資格の要件もありません。既卒者でも出願できます(調査書を提出できる人に限ります)。

かわりに求められるのは構想です。要項には「新規事業の創業、既存事業の再興、また社会事業運営、事業による地域活性化や国際的展開などのヴィジョンを持ち、それを実現する希望・意欲を強く持っている者」とあり、具体例が9つ挙げられています。

# 当てはまる人
⑴ 新しい商品やサービスの提案・企画、新しいビジネスの立ち上げに携わりたい
⑵ ビジネスを通じて出身地域の活性化や再生に貢献したい
⑶ ボランティアやNPOの活動で、環境・エネルギー・貧困・格差などの問題を解決したい
⑷ ビジネスコンクールなどのイベントに参加した
⑸ 自分の店を持つなど、スモールビジネスや個人経営に強い興味がある
⑹ 既卒者で、職人・農林水産業・スポーツ界・芸能界などで実績を積んでいる
⑺ 高校卒業後に専門学校などで免許を取得しており、それを活かしてビジネスを立ち上げたい
⑻ 親族や知人のビジネスを承継し、大きく育てたい
⑼ 海外を舞台にビジネスを展開したい

「いずれか、あるいは複数に当てはまる者」とあるので、9つ全部である必要はありません。

そして⑹と⑺は明確に既卒者向けです。高校を出てから働いていた人、専門学校で資格を取った人に向けて入口が開いています。年内入試でここまで既卒を想定している学科は多くありません。

第2次は小論文とプレゼンテーション

時間 内容
9:20〜9:30 受験上の注意
9:30〜10:30 小論文(60分)
11:00〜 プレゼンテーション

プレゼンテーションは、発表10分程度、質疑応答を含めて1人30分程度です。

やることは決まっています。「自分のヴィジョンを新事業企画に落とし込み、そのプレゼンテーションを行ってください」と要項に書かれています。夢を語る場ではなく、事業の企画を説明する場です。

準備の実務が細かいので、先に読んでください

原則は口頭発表です。そのうえで、次の3つが認められています。

やり方 必要な準備
模造紙での掲示 第2次選考の当日に持参。掲示はプレゼン開始の直前
資料の配付 5部用意し、「受験上の注意」の時間に提出
パソコンでの投影 投影の準備はプレゼン開始の直前。動作しない可能性があるため、印刷した資料も5部用意

パソコンを使う場合でも、紙の資料5部が要ります。要項に「動作上の問題等により投影できない可能性もあるため」と理由まで書かれています。当日に機材が動かない前提で組んでおいてください。

そして出願時に「プレゼンテーションの要旨」を提出します。A4サイズ1枚、片面に収まるように作り、右上に氏名を書きます。出願の9月11日の時点で、構想が1枚にまとまっている必要があるということです。

どのやり方でいくかは、出願書類の「総合型選抜チェックリスト」で申告します。出願時に決めておいてください。

日程

2027年度(令和9年度)入学のスケジュールです。両学科で共通です。

項目 期間・日付
マイページ利用者登録の開始 令和8年9月1日(火)
WEB出願登録 令和8年9月1日(火)9時〜9月11日(金)17時
出願書類の提出(郵送) 令和8年9月7日(月)〜9月11日(金)
第1次選考(書類審査)の結果発表 令和8年10月9日(金)11時
第2次選考 令和8年10月17日(土)
最終合格発表 令和8年11月2日(月)11時
入学手続期間 令和8年11月2日(月)〜11月9日(月)

出願が9月11日で締まります。商学部の公募制推薦(11月6日締切)より2か月近く早いです。同じ大学でも締切がまったく違うので、併願を考えるなら日程表を並べて見てください。

第1次の結果が10月9日、第2次が10月17日です。間は8日しかありません。プレゼンの準備を結果が出てから始めると間に合いません。出願した時点で作り始めてください。

合格発表から入学手続の締切まで8日間です。他大学と併願していても、合格したら入学する前提の入試なので、11月9日までに納入することになります。

対策の順序

第1段階:どちらの学科かを決める(高3の春)

評定4.0と資格があるかどうかで分かれます。両方に出すことはできません。

到達基準: 出願する学科が決まっていること。

第2段階(経営学科):資格を1つ、できれば2領域そろえる(高3の1学期から夏)

いちばん取りやすいのは日商簿記3級かITパスポートです。簿記3級は年3回のネット試験のほか随時受験でき、ITパスポートもほぼ毎日受験できます。出願締切の9月11日までに合格していれば使えます。

英検2級を持っているなら、それに簿記3級を足すと2領域になります。加点があるので、1つで止めないでください。

到達基準: 9月上旬までに、証明書が手元にあること。できれば2領域。

第2段階(ビジネスデザイン学科):構想を1枚にする(高3の夏)

出願時にA4片面1枚のプレゼンテーション要旨を出します。ここで構想が決まります。

「何を売って、誰から、どうやってお金を得るのか」が書けているかを確認してください。社会をよくしたい、という話だけでは事業の企画になりません。

到達基準: 9月上旬までに、A4片面1枚の要旨ができていること。

第3段階:志望理由書を書く(高3の8月)

第1次は書類審査だけです。ここを通らないと面接もプレゼンもありません。

経営学科とビジネスデザイン学科は学ぶ内容が違います。学科名を入れ替えても成立する志望理由は、書類審査で弱くなります。組み立て方は志望理由書の書き方にまとめました。

到達基準: 出願締切の1週間前に、志望理由書が完成していること。

第4段階(経営学科):時事問題に答えられるようにする(9月から10月)

面接では社会情勢や時事問題も聞かれます。経済面のニュースを、月に何本かでいいので自分の言葉で説明できる状態にしてください。

面接で見られることは総合型選抜の面接対策にまとめました。

到達基準: 直近3か月の経済ニュースを3つ、それぞれ1分で説明できること。

第4段階(ビジネスデザイン学科):資料を5部刷って、10分で話す練習(9月から10月)

発表は10分、質疑を含めて30分です。10分は長いようで短いです。原稿を読み上げると必ず足りなくなります。

そして紙の資料5部を必ず用意してください。パソコンを使う場合でも要ります。

到達基準: 10分で話し切り、質問に20分答えられること。

第5段階(ビジネスデザイン学科):60分の小論文に慣れる(10月)

プレゼンの前に小論文が60分あります。プレゼンの準備だけをしていると、ここで崩れます。

到達基準: 60分で構成を立てて書き切れること。

同じ分野で読むなら

商・経営系の年内入試は、評定と資格の条件が大学ごとに違います。自分の条件で出せるところを探してください。

同じ大学で迷っているなら

専修大学の商学部と経営学部は、どちらも神田キャンパスです。通学の条件は同じなので、学ぶ内容と、自分が出せる条件で選んでください。

条件の順に並べると、評定が低くても出せるのはビジネスデザイン学科、次に商学部(3.8)、いちばん高いのが経営学科(4.0)です。ただしビジネスデザイン学科はプレゼンテーションがあるので、評定が軽いぶん、当日と準備が重くなります。

年内入試そのものの全体像は、総合型選抜のすべてにまとめてあります。


この記事は2027年度(令和9年度)入学試験の要項にもとづいています(倍率のみ2026年度の実績)。最終更新: 2026年9月

出典

  1. 募集人員・出願資格・出願条件(評定と5領域の資格)・求める人材像・併願の扱い・出願期間・入学検定料・出願書類・選考方法・第2次選考の試験日と時間割・プレゼンテーションの実施方法・合格発表日・入学手続期間。専修大学「2027(令和9)年度 経営学部 総合型選抜入学試験要項」https://www.senshu-u.ac.jp/albums/abm.php?d=7237&f=abm00078718.pdf ↩
  2. 2026年度の志願者数・第1次選考と第2次選考の受験者数と合格者数・倍率。専修大学「入試結果(過去3年分)」https://www.senshu-u.ac.jp/admission/result.html ↩

二神大輝|埼玉県内の学習塾で取締役・塾長。大学受験と総合型選抜の指導歴10年超。

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