東洋大学 環境イノベーション学部 総合型選抜・学校推薦型選抜の傾向と対策|2027年4月開設・前年度の倍率がありません

こんにちは、ふたがみです。

東洋大学の環境イノベーション学部は、2027年4月に開設される新設学部です。2026年6月に文部科学省への設置届出が受理されました。川越キャンパスに置かれます。

つまり、2027年度入試が1回目です。

これが受験生にとって何を意味するか。前年度の倍率も、合格最低点も、存在しません。過去問もありません。

判断材料が「募集人員と要項」しかない状態で、出願するかどうかを決めることになります。この記事では、その要項から読み取れることを整理します。

結論

新設学部の1年目は、倍率が読めません。ただし読めないことは、必ずしも不利ではありません。

募集人員はAO型推薦10名・自己推薦5名・学校推薦5名の合計20名。1学科しかない学部としては、しっかり枠が取られています。

そしてAO型推薦と自己推薦には、評定の要件も英語資格もありません。

「1年目だから誰も出願しない」と読むか、「新設で注目されて人が集まる」と読むか。どちらもあり得ます。だからこそ、倍率を当てにせず、書類と発表の質で勝負を決めるという構えが要ります。

基本情報

項目 内容
学部・学科 環境イノベーション学部 環境イノベーション学科(1学科)1
開設 2027年4月(設置届出が2026年6月に受理)4
キャンパス 川越キャンパス(埼玉県川越市)1
コース 環境創造コース/科学コミュニケーションコースの2コース4
年内入試の方式 4つ(AO型推薦/自己推薦/学校推薦/基礎学力テスト型)12
募集人員 AO型推薦10名/自己推薦5名/学校推薦5名1
出願要件 AO型推薦・自己推薦は評定・英語資格ともに不要/学校推薦は評定3.6以上+推薦+専願1
専願・併願 AO型推薦・自己推薦・学校推薦は専願/基礎学力テスト型は併願可12
日程(試験日) AO型推薦・自己推薦 10月18日/学校推薦 11月22日/基礎学力テスト型 11月29日12
倍率 前年度実績なし(2027年度が1回目)

AO型推薦の10名が、この学部で最大の枠です。評定も英語資格も問われません。

文系でも理系でも出願できます

この学部の設計で、押さえておきたい点があります。

大学の発表によると、環境イノベーション学部は「文系・理系がともに学び、環境問題の解決に挑む」ことを掲げています。環境・エネルギー問題の科学的知識と、デジタル技術・データサイエンスの基盤的な知識の両方を扱い、環境創造コースと科学コミュニケーションコースの2コースから選ぶ形です。

科学コミュニケーションコースがあることは、文系の受験生にとって意味があります。科学を伝える・つなぐ側に軸足を置けるからです。

そして年内入試の課題も、理系の知識を前提にしていません。後述しますが、AO型推薦の課題は「高校で自主的に取り組んできた活動や探究学習」がテーマで、探究のテーマは環境に直接関係する内容でなくてもかまわないと要項に明記されています。

AO型推薦|募集10名・課題発表8分

この学部でいちばん大きい枠です。

項目 内容
募集人員 10名
試験日 10月18日
出願資格 第一志望であることのみ(評定・英語資格ともに不要)
配点 書類選考100/課題発表・質疑応答100/面接100(計300)

3つが同じ重さです。書類だけでも、発表だけでも足りません。

出願時に提出する課題

課題論文を書きます。分量は日本語なら2,000字程度、英語なら1,000words程度。A4用紙にまとめ、2部提出します。Microsoft Wordの使用が望ましいとされています。

課題の中身がこうです。

「あなたが高校で自主的に取り組んできた活動や、総合的な探究の時間の内容について、何に取り組み、どのような成果や課題があったかを要約してください。そのうえで、その経験や探究活動を通して身に付けた力を、具体的な環境問題の発見や解決にどのように活かすことができるかを説明してください。」

そして注意書きが付いています。「探究活動のテーマは、環境に直接関係する内容でなくてもかまいません。」

ここが重要です。環境をテーマに探究してこなかった人でも出願できます。問われているのは「その経験で身に付けた力を、環境問題にどう活かすか」という接続です。

部活動でも、文化祭の運営でも、地域のボランティアでも構いません。そこで何を学び、それが環境の課題にどうつながるかを書けるかどうかです。

図表やデータがある場合はA4用紙1枚の添付が認められ、引用元を明示すれば字数に含まれません。

志願理由書は2枚

通常の学部より1枚多いです。

枚数 題名
1枚目 「環境イノベーション学科で学びたいこと」
2枚目 「大学卒業後の進路や将来の夢について」

1行目にそれぞれの題名を記入し、自筆(黒ボールペン)で書きます。

新設学部なので、卒業生の進路実績がありません。それでも2枚目で将来を書かせるということは、自分で進路像を描けるかを見ているということです。

活動の記録(自由提出)

任意ですが、出せるなら出したほうがいい書類です。要項に例が挙げられています。

  • コンクール・発表会・競技会等の賞状、またはそれらに出品した作品や図面
  • 参加したボランティア活動等を紹介している新聞・雑誌の記載事項
  • 高校の成績以外で得意分野を表現できる資料(各種検定試験・ジュニアマイスター顕彰等の成績を含む)

そして「これらはあくまで一例です。これらにとらわれず、自分のこれまでの活動や、自らの意欲・能力・発想力等を証明することができると考えられるものを積極的に添付してください」と書かれています。

A4サイズ・コピー可。作品の場合は写真や説明文を添付します。提出した書類は返却されません。

試験当日|発表8分+面接7分

内容 時間
課題発表 8分程度
質疑応答・面接(口頭試問を含む) 7分程度

出願時に提出した課題について発表します。使えるのはMicrosoft PowerPoint、書画カメラ、ポスターなど。事前申し込みによる視聴覚機器の使用が可能です。

そして要項に実務的な注意があります。当日パソコンに不具合が発生した場合は書画カメラによる発表になるため、発表用のデータを印刷した用紙を予備として持参してください。

8分は長めです。東洋大学の他学部のプレゼンが3分から7分なので、この学部が最も長くなります。原稿の丸暗記では持ちません。

自己推薦|募集5名

項目 内容
募集人員 5名
試験日 10月18日
出願資格 第一志望であることのみ(評定・英語資格ともに不要)
配点 書類選考100/小論文100/面接100(口頭試問あり)計300

AO型推薦と同じ日です。どちらか一方を選ぶことになります。

違いは当日の中身です。AO型推薦が課題発表なのに対し、自己推薦は小論文です。

発表が得意ならAO型推薦、書くほうが得意なら自己推薦。この基準で選んでください。

学校推薦|募集5名

項目 内容
募集人員 5名
試験日 11月22日
出願資格 評定3.6以上+学校長の推薦+専願
配点 書類選考100/小論文100/面接100(口頭試問あり)計300

配点は自己推薦と同じです。違いは評定3.6と推薦書が必要なことと、試験日が11月22日であることです。

評定3.6があるなら、10月18日の自己推薦ではなく11月22日の学校推薦を選ぶという判断もできます。準備の時間が1か月増えます。

基礎学力テスト型入試

一般入試と併願できる唯一の方式です。この学部も実施対象に含まれています。

前年度の実績がないため、倍率も合格最低得点も示せません。

参考として、同じ川越キャンパスの学部の2026年度実績を挙げます。

学部 基礎学力テスト型の倍率
理工学部 2.2倍
総合情報学部 3.9倍

環境イノベーション学部がどちらに近くなるかは、1年目が終わるまでわかりません。

事前課題小論文に注意

小論文は当日書きません。インターネット出願の登録時に入力します。小論文課題の入力が終わらないと、出願登録そのものが完了しません。

出願期間は10月29日から11月4日までの7日間です。

専願と基礎学力テスト型は併願できません

10月18日のAO型推薦・自己推薦に出願した人は、基礎学力テスト型を受けられません。ただし10月18日で不合格だった場合のみ、出願・受験ができます。

11月22日の学校推薦に出願した場合は、受けられません。

環境イノベーション学部で取れる道はこうなります。

道 組み立て 向いている人
A 10月18日のAO型推薦または自己推薦 → 不合格なら11月29日の基礎学力テスト型 評定を問われずに2回受けたい
B 11月22日の学校推薦だけ 評定3.6があり、推薦をもらえる
C 11月29日の基礎学力テスト型だけ 一般入試を本線にしたい

Aの道が使えます。評定も英語資格も問われないまま、10月と11月に2回受けられます。

ただし基礎学力テスト型の出願は10月29日から11月4日で、10月18日の合格発表(11月2日)とほぼ重なります。猶予は2日です。事前課題の小論文は先に書いておいてください。

日程

方式 出願期間 試験日 合格発表 入学手続締切
AO型推薦・自己推薦 9月7日〜9月10日 10月18日(日) 11月2日(月) 11月13日(金)
学校推薦 11月2日〜11月5日 11月22日(日) 12月1日(火) 12月11日(金)
基礎学力テスト型 10月29日〜11月4日 11月29日(日) 12月14日(月) 第1次 12月18日/第2次 2月26日

出願期間は4日から7日しかありません。インターネット登録に加えて、検定料の支払いと出願書類の郵送(消印有効)が期間内に必要です。

入学金をいつ払うことになるか

保護者の方が気にされるのはここだと思います。方式で大きく変わります。

AO型推薦・自己推薦は11月13日、学校推薦は12月11日が入学手続の締切です。どちらも専願なので、一般入試の結果を待つことはできません。年内に納入することになります。

基礎学力テスト型だけは、入学手続が第1次12月18日・第2次2月26日の2段階です。第2次の2月26日まで待てます。一般入試の結果を見てから納入を決められます。

新設学部は情報が少ないぶん、家庭で相談する時間も要ります。オープンキャンパスや大学の特設サイトを、早めに見ておいてください。

対策の順序

第1段階:新設学部であることを理解する(高3の春)

2027年度が1回目です。倍率も合格最低点も過去問もありません。

そのかわり、大学が何を目指して作った学部なのかは公表されています。環境・エネルギーの科学的知識と、デジタル技術・データサイエンス。環境創造コースと科学コミュニケーションコース。この設計に自分の関心が重なるかを確認してください。

到達基準: 2つのコースのどちらに近いかが、言葉にできること。

第2段階:探究活動を棚卸しする(高3の春から夏)

AO型推薦の課題は「高校で自主的に取り組んできた活動や、総合的な探究の時間」がテーマです。

そして環境に直接関係する内容でなくてもかまいません。部活動、文化祭、地域活動、コンクール。何をして、何が成果で、何が課題だったかを書き出してください。

到達基準: 取り上げる活動を1つに絞り、成果と課題を200字で書けること。

第3段階:課題論文2,000字を書く(高3の夏休み)

構成は要項が示しています。前半が活動の要約、後半が「身に付けた力を環境問題にどう活かすか」です。

後半が本題です。前半を長く書きすぎないでください。探究で身に付いた力(調べる力、仮説を立てる力、人を巻き込む力など)を1つ選んで、環境の具体的な課題に接続するのが書き方の骨格です。

到達基準: 9月7日の出願開始までに2,000字を書き上げていること。

第4段階:志願理由書2枚を書く(高3の夏休み後半)

「学びたいこと」と「卒業後の進路や将来の夢」を各1枚。自筆です。

新設学部なので卒業生の実績がありません。大学の特設サイトで、想定される進路や学びの内容を確認したうえで書いてください。

到達基準: 2枚とも、1行目に題名を書いた状態で完成していること。

第5段階:8分の発表を作る(9月から10月)

東洋大学の中でいちばん長い発表です。PowerPoint、書画カメラ、ポスターから選べます。

そして当日のトラブル対策として、発表データを印刷した用紙を予備で持参してください。要項に明記されています。

到達基準: 8分の発表を、原稿を見ずに通せること。

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この記事は2027年度入学試験要項にもとづいています。最終更新: 2026年9月

出典

  1. 募集人員・出願資格・課題の内容・志願理由書の枚数と題名・活動の記録・配点・当日の発表時間・日程。東洋大学「2027年度 総合型選抜・学校推薦型選抜(専願のみ)入学試験要項」https://www.toyo.ac.jp/nyushi/content/dam/toyowebstyle/admission/admission-data/requirements-special/public-recruitment_entry-exam_2027.pdf ↩
  2. 基礎学力テスト型の出願資格・併願制限・日程。東洋大学「2027年度 総合型選抜 基礎学力テスト型入試(公募制・併願可)入学試験要項」https://www.toyo.ac.jp/nyushi/content/dam/toyowebstyle/admission/admission-data/achievement-test/achievement-test_entry-exam_2027.pdf ↩
  3. 比較として挙げた理工学部・総合情報学部の2026年度実績。東洋大学「2026年度 入学試験 入試結果」https://www.toyo.ac.jp/nyushi/content/dam/toyowebstyle/admission/past-exam/toyo2026-nyushikekka.pdf ↩
  4. 開設時期・設置届出の受理・2コース制・学びの内容。東洋大学「2027年4月開設『環境イノベーション学部』および同研究科の設置届出が文部科学省に受理されました」https://www.toyo.ac.jp/news/20260629-19773.html ↩

二神大輝|埼玉県内の学習塾で取締役・塾長。大学受験と総合型選抜の指導歴10年超。

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