「なんで勉強しなきゃいけないの?」。この問いに、大人からまともな答えをもらえたことがある人は、たぶんほとんどいないと思います。

このページは、大学入試指導歴10年・総合型選抜専門の僕が、この問いに答え続けてきた末にたどり着いた「全体マップ」です。

結論だけ先に言うと、勉強する意味は「意味」「習慣」「キャリア」の3つの視点で考えるとほどけます。

このページはその見取り図です。それぞれの視点を深掘りした記事へ本文中から案内していきますので、ここを起点に、自分に刺さるところから読んでみてください。

なぜ「なんで勉強するの?」に大人は答えられないのか

「いい大学に行くためだよ」「将来の選択肢が広がるからだよ」

この答え、聞いたことありますよね。間違ってはいません。

でも、きみが納得していないのは、それが大人自身も納得しないまま受け取った答えのコピーだからだと思います。

大人の多くは、勉強と自分の人生の繋がりを言語化しないまま大人になりました。だから子どもに聞かれると、自分が昔言われたことをそのまま返すしかありません。

これは責められないことだと思っています。学校で学ぶ世界と、実際に働く社会があまりに離れていて、繋がりが見えにくい構造になっているからです(この構造の話は大学なんてオワコン?なめらかに社会とつながる教育の構造で詳しくやります)。

もう一つ理由があります。「選択肢が広がる」という答えは正論ですが、報酬が遠すぎるんですよね。

10年後の選択肢のために、今日の眠気と戦えと言われても、人間はそういうふうにできていません。だから「意味」の話だけでは足りなくて、「今日どう動くか」の話と「その先がどこに繋がるか」の話がセットで要ります。

僕は10年間、教室でこの問いを浴び続けてきました。ごまかさずに答えようとするたびに、自分の中の答えが鍛え直されてきました。そうして残ったのが、これから話す3つの視点です。

僕の答えの全体マップ|勉強する意味は3つの視点でほどける

3つの視点は、こういう分担になっています。

  1. 意味:そもそも、なぜやるのか
  2. 習慣:意味がわかっても体が動かない問題をどうするか
  3. キャリア:今の勉強が、社会のどこで効くのか

「なんで勉強するの?」という一つの問いに見えて、実は中身はこの3つが絡まっています。だから一言で答えられませんし、一言の答えでは納得できないんですよね。

3つは独立しているようで、実際は循環しています。意味がわかると習慣が続きやすくなり、習慣が続くと勉強が進んで、キャリアとの接点が見えてきます。接点が見えると、意味がさらに自分の言葉になります。

どこから入っても大丈夫です。きみが今いちばん引っかかっている視点から読み始めてください。順番に見ていきましょう。

視点1「意味」|勉強する意味は、夢を追い続けるため

僕の結論はこれです。勉強する意味は、夢を追い続けるためにあります。

実例を一つだけ要約して置いておきますね。保育士になるのが夢だった、ある高校生の話です。

彼女は「保育士は給料が安い」と言われて夢を諦めるのではなく、学生のうちから保育の制度や国の補助制度を調べ抜きました。

そして「ある条件を満たせば民間の人でも保育士として働ける制度がある」ことを見つけ、保育園が不足している地域で新しい預かりの仕組みを作れないか、という事業の構想にまで行き着いたんです。

保育士という「職業の夢」が、勉強によって「その先の、もっと大きな夢」に育った瞬間でした。彼女を動かしたのは知識と経験と向上心、つまり勉強そのものです。

このエピソードの全体と、「勉強なんて意味ない」と感じている人への僕の答えは、勉強する意味を言語化するに全部書きました。このサイトの核になる記事なので、一本だけ読むならこれを読んでほしいです。

視点2「習慣」|意味がわかっても、体は動かない

ここが多くの「勉強する意味」論の抜け穴だと思っています。意味に納得した次の日も、机に向かうのはやっぱりしんどいですよね。

やる気は「出る」ものではなく「出す」もので、そのための技術があります。

意味は方角、習慣は乗り物です。どちらが欠けても目的地には着きません。

視点3「キャリア」|今の勉強を、社会の言葉に翻訳する

3つ目は、勉強と社会のあいだの「翻訳」の話です。ここが見えると、目の前の一問の見え方が変わります。

まず、学校と社会の乖離という構造そのもの。世の中の仕事の多くは会社相手の仕事(B to B)なのに、高校生が知っているのはテレビやCMで見るお客さん相手の仕事(B to C)ばかりです。

この非対称を知っているだけで進路の視界は広がります。大学なんてオワコン?なめらかに社会とつながる教育の構造で書きました。

次に、進路の決め方です。「将来の夢から逆算しよう」とよく言われますが、僕は将来は綺麗に逆算できないと考えています。逆算型キャリア論の落とし穴と、情報戦としての進路の考え方は将来は逆算できない|B2B/B2Cと"情報戦"の進路にまとめました。

最後に、科目と将来の直結の一例を挙げます。現代文の読解力は「筆者の意図を掴む力」であり、それは大学の面接で相手の質問の意図を掴む力そのものです。現代文の読解力は、面接で相手の意図を掴む力ですで実演しています。

総合型選抜を専門に指導してきた立場から一つ付け足すと、この「翻訳」は入試でそのまま武器になります。

面接や志望理由書で問われるのは、突き詰めれば「なぜその勉強をしてきたのか」「それを大学と社会でどう活かすのか」です。つまり、勉強する意味を自分の言葉で語れる受験生は、それだけで強いということですね。このマップを歩くこと自体が、進路の準備になっています。

まとめ|このマップの歩き方

  • 「なんで勉強するの?」に答えられない大人が多いのは、勉強と人生の繋がりが見えない構造のせい
  • 僕の答えは3視点。意味(夢を追い続けるため)・習慣(やる気は出すもの)・キャリア(勉強を社会の言葉に翻訳する)
  • まず読むなら勉強する意味を言語化する
  • 手が動かないなら0.1歩の習慣化、進路がもやもやするなら大学と社会の構造から

意味がわかったら、次は「進路」に翻訳する番です。

勉強する意味が自分の言葉になった人は、それをそのまま志望理由に育てられます。やりたいことを進路に翻訳するプロセスは、総合型選抜の考え方が一番きれいに教えてくれます。

一般受験の人にも効く内容なので、覗いてみてください。

総合型選抜のすべて|やりたいことを、進路に翻訳する