現代文の読解力は、面接で相手の意図を掴む力です
こんにちは、ふたがみです。
現代文の読解力は、面接で相手の意図を掴む力です
「現代文なんて、日本語なんだから勉強しなくても読めるでしょ」「読解力って、社会に出て何の役に立つの?」。よく聞かれる質問です。
正直に言うと、僕も学生の頃は現代文を「センスの科目」だと思っていた側でした。
でも今の僕の答えははっきりしています。現代文で鍛えた読解力は、総合型選抜の面接で「相手の意図を掴む力」としてそのまま使えます。
大学入試の指導を10年やってきて、入試国語と面接指導の両方に関わる中で、この2つは同じ力の別の顔だと確信するようになりました。
この記事では、その繋がりの構造を書きます。「今の勉強が将来のどこに繋がるか」というこのサイトの背骨のテーマに、現代文という科目で答える記事です。
「現代文は意味ない」と言われてしまう理由
現代文が軽く見られがちなのは、「日本語だから読める気がする」からです。英語や数学と違って、できない状態が自覚しづらいんですよね。
だから「センスの科目」「勉強しても伸びない科目」と誤解され、「やる意味あるの?」という話になってしまいます。
でも実際の現代文は、センスではなく技術の科目です。そして、その技術の中身を分解すると、面接や対話にそのまま繋がる力だと分かります。
現代文で鍛えている力は2つある
1. 筆者の主張を掴む力
評論には、筆者が言いたいことの核が必ずあります。具体例、比喩、譲歩(「たしかに〜。しかし〜」の前半)は、すべて主張を支えるための飾りです。
読解とは、飾りと本体を切り分けて、「結局この人は何が言いたいのか」を一文で取り出す作業にほかなりません。
2. 問いの意図を読む力
設問は、出題者からの指示書です。「どういうことか」と聞かれたら言い換えを、「なぜか」と聞かれたら理由を要求されています。
どれだけ本文を深く理解していても、聞かれたこととズレた答えを書けば点は来ません。設問が何を要求しているかを読み違えた答案は、内容が良くても0点に近づきます。
実際の入試問題で設問の意図をどう読み解くかは、早稲田大学商学部・国語の過去問分析で実演しているので、そちらを見てみてください。
面接で落ちる人は、質問を「読めて」いない
面接練習をしていると、よくこういう場面に出会います。
面接官役の僕が「本学で何を学びたいですか」と聞いているのに、用意してきた自己PRを最初から話し始めてしまう生徒。質問に一応は答えているけれど、聞かれた核心には触れていない生徒。
本人は「緊張したせい」だと思っています。でも僕から見ると、これは現代文の答案で起きていることと同じなんですよね。問いの意図を読まずに、自分の書きたいこと(言いたいこと)を書いてしまっている。
面接官の質問にも、設問と同じように意図があります。
「高校で頑張ったことは?」は思い出話のリクエストではなく、経験をどう意味づけて次に繋げる人間なのかを見ています。「最近気になったニュースは?」は時事クイズではなく、志望分野へのアンテナの立ち方を確かめています。
質問の表面ではなく、その奥にある「この人は何を確かめたくてこれを聞いているのか」を掴めるかどうかで、答えの質は決定的に変わります。
つまり僕の中では、面接は「口頭で行う現代文の試験」なんです。
読解の型は、そのまま面接の型になる
現代文の解き方を面接に翻訳すると、こうなります。
- 筆者の主張を掴む → 質問の核心を掴む(何を確かめたい質問なのか)
- 設問の要求に答える → 聞かれたことに、まず正面から結論を答える
- 根拠を本文から引く → 理由を自分の経験から引く
- 本文にないことを書かない → 用意した台本を、聞かれてもいないのに押し込まない
面接そのものの準備の型は面接対策の記事で書いていますが、その土台にあるのはこの読解の型です。
だから現代文の勉強は、面接練習が本格化するずっと前からできる、最初の面接対策でもあると思っています。
読解力は「文章を読む力」ではなく「相手を読む力」
社会に出れば、文章の代わりに、上司の指示、顧客の要望、会議での発言を「読む」ことになります。言葉の表面をなぞるのではなく、相手が本当に求めているものを掴む。これは「筆者の主張を掴む」作業の応用そのものです。
「読解力は将来役立つのか」という問いへの僕の答えは、こうなります。役立つどころか、読解力は対人コミュニケーションの基礎体力です。現代文の勉強は、目の前の文章のためだけにあるのではありません。
まとめ
- 現代文で鍛えているのは「筆者の主張を掴む力」と「問いの意図を読む力」の2つ
- 面接で噛み合わない答えの多くは、緊張ではなく「質問の意図を読めていない」ことが原因
- 面接は口頭で行う現代文。質問の核心を掴み、聞かれたことに正面から答える
- 読解力は文章専用の力ではなく「相手を読む力」。社会に出てからずっと使う
読解の型を面接の受け答えに変換する具体的な手順は、こちらで詳しく書いています。

