英単語の覚え方|1単語2秒×1日3周。TESOL保有者の超効率暗記法

こんにちは、ふたがみです。

「英単語が覚えられない」「単語帳を何周しても最初のページしか頭に残らない」。そういう相談、ほんとうによくもらいます。

僕も暗記が得意なタイプではありませんでした。それでもやり方を変えるだけで、この悩みはかなり解決できます。

結論から言うと、僕がすすめる英単語の覚え方はこれです。

1単語につき持ち時間2秒。赤シートでテストしながら300単語分を、朝・昼・晩の3回まわします。

1周10分×3回で、1日合計30分になります。そして最大のポイントは「覚えようとしないこと」です。

この記事では、大学入試の英語を10年指導してきた僕が、このやり方の具体的な手順と、なぜこれで覚えられるのかという2つの科学的な根拠をお話しします。

英語力は単語量で決まる

英語力はズバリ、単語量で決まります。英検も共通テストも私大も国立も、どんなテクニックより単語量がものを言います。

そして英語に限らず、「勉強が苦手」と言う人は、つまるところ「暗記が面倒くさい」と言っているのとほとんど同じなんじゃないかなと思っています。

僕も嫌いな教科は「もうやってらんねー!」と言いつつ、逃げたい気持ちを押し殺して勉強していました。数学の公式とか、理科の公式とか、ね(笑)。

でも逆を言うと、暗記できる方法さえ身につければ勉強は得意になれます。英語や社会科目は特にそうです。

これまで指導してきた中には、この方法で暗記量が劇的に増えて、約半年でセンター試験(当時)の英語を5割から9割まで伸ばした生徒もいました。

もちろん誰でも必ずそうなるわけじゃないですが、「根性で書きまくる」暗記より圧倒的に効率がいいのは確かです。

英単語の覚え方: 1単語2秒×300語×朝昼晩

やり方を整理するとこうなります。

  1. 単語帳を開き、赤シートで意味を隠す
  2. 1単語につき2秒だけ見て、意味が出てくるかテストする
  3. 出てこなかったら悩まずに次、次、次とめくる
  4. これを300単語分(約10分)
  5. 同じ範囲を朝・昼・晩の3回やる(1日合計30分)
  6. 同じ300語で1週間続けたら、次の300語へ

「えっ、1日3回?しんど!」と思った方、いますよね。ここでのポイントは、覚えようとしないことです。

2秒見て出てこなかったら、じっと睨まない。書かない。語呂合わせも考えない。サラサラーっと読み進めるだけでいいんです。

だから1周10分で終わりますし、精神的な負担がほとんどありません。名付けて「楽ぅーに、細ぉーく、長ぁーく作戦」です。

……なんのこっちゃ、と思いますよね。実はこれには理由があって、2つの心理学・脳科学のテクニックをもとにしています。

根拠①: 単純接触効果|脳は「よく会うもの」を大事だと錯覚する

人間の脳は、接触回数が多いものを大切だと錯覚する傾向があります。これが単純接触効果です。

学校のクラスに、話したことがないのに名前を知っている人、いますよね? 毎朝の朝礼で名前を聞くから、勝手に覚えているんです。

英単語も同じです。単語帳を毎回最初から「覚えよう」とやる人は、最初の数ページだけ完璧だったりしませんか。あれは意志の力でも才能でもなく、単に確認回数が多いからなんですよね。

でも「覚えよう覚えよう」とやっていると、途中でしんどくなってやめてしまいます。だったら逆に、覚えようとせずに接触の回数だけを増やせばいいと思っています。

朝昼晩の3回まわすのは、この「回数」を最大化するためです。

根拠②: テスト効果|思い出そうとするから記憶に残る

もうひとつがテスト効果です。覚える行為はいわゆるインプットですが、実は、アウトプット(思い出すこと)をするほうが記憶に定着しやすいんです。

これは2006年、ヘンリー・L・ローディガーとジェフリー・D・カーピキの論文(Roediger & Karpicke, 2006)でも実証されています。科学的な文章を読んだ学生のうち、単純にテキストを再読したグループより、一度読んだ後にテストを行ったグループのほうが、2日後・1週間後に覚えている量が多かったという結果でした。

だからこの暗記法では、単語をただ眺めるのではなく、赤シートで隠して「意味が出てくるか」を毎回テストします。2秒という制限時間は、この「思い出そうとする負荷」を軽く、でも確実にかけるための仕掛けです。

テストの目的は「分ける」こと

テストというとマイナスなイメージを抱く人もいますが、目的は点数をつけることではありません。わかる(できる)ものと、わからない(できない)ものを分けることです。

分けられれば、わからないところにだけ力を注げるので、勉強の効率が上がります。1週間まわしてもまだ出てこない単語だけ、じっくり向き合えばいいんです。全部に同じ労力をかける必要はありません。

なお、この方法はどの単語帳でも使えますが、そもそも自分の目的に合わない単語帳だと遠回りになります。単語帳選びに迷っている人は目的別・英単語帳の選び方を先に読んでみてください。

続けるコツ: ハードルを極限まで下げる

この方法の本質は「1回あたりの負担を極限まで軽くして、回数で勝負する」ことです。

だから続けるコツも同じで、「今日は疲れたから朝の1周だけ」でもいいと思っています。ゼロにしないことが一番大事です。

勉強を始めるまでに時間がかかるタイプの人は、0.1歩の習慣化の考え方が役に立つと思います。

そして単語は、日本にいながら「使える英語」に届く全体像で示したロードマップの土台でもあります。単語が回り始めると、文法も長文も一気に楽になりますよ。

まとめ: 英単語の覚え方

  • 英語力は単語量で決まる。暗記法を制する者が英語を制する
  • やり方は「1単語2秒×300語×朝昼晩」の1日30分を1週間
  • ポイントは覚えようとしないこと。出てこなければ次へ
  • 根拠は単純接触効果(回数で覚える)とテスト効果(思い出す負荷で定着・Roediger & Karpicke 2006)
  • テストの目的は、わかる/わからないを「分ける」こと

以上、超効率・英単語暗記法でした。お試しあれ!


この勉強は、将来どこに繋がるか

「楽に続く仕組みを自分で設計する」力は、英単語に限らず、大人になってから新しいスキルを身につけるたびに効いてくる一生モノです。

勉強する意味を言語化する