やりたいことが見つからない高校生へ|「何をしたいか」より「どうなりたいか」
こんにちは、ふたがみです。
「やりたいことが見つからない」。進路希望調査の紙を前に固まったり、面談で先生に聞かれて言葉に詰まったりします。周りはなんとなく決まっていそうで、自分だけ取り残された気がして焦りますよね。
この感覚、僕にも覚えがあります。だから「見つからない人」を責める気はまったくありません。
先に結論を言います。「何をしたいか」から考えるのを、一回やめてください。 考える順番は「どうなりたいか」という理想像が先です。
この記事では、総合型選抜を専門に10年指導してきた僕が、やりたいことの"見つけ方"というより、見つかる順番の話をします。
やりたいことが見つからないのは、きみの欠陥ではない
まず前提から。高校生の時点でやりたいことが明確な人は、ごく少数派です。
そして実は、「やりたいことがある人」も安泰ではありません。好きなことがある人は、自分より上手な人を見て落ち込みますし、得意なことがある人は、自分より才能のある人を見て同じように悩みます。結局僕らは、ないものねだりをしてしまう生き物なんですよね。
だから「見つからない自分はダメだ」という捉え方を、まず変えてほしいです。やりたいことが見つからないと悩めること自体、向上心がある証拠だと思っています。現状に満足できないモヤモヤは、実は大きなエネルギーになります。
もうひとつあります。「やりたいこと=職業名」だと思い込んでいないでしょうか。
医者、弁護士、公務員、エンジニア。職業のカタログから選ぼうとするから、見つからないんです。職業は手段であって、目的ではありません。まだ見ぬ仕事がこれからいくらでも生まれる時代に、いま存在する職業名の中から"正解"を選ぼうとする方が無理があります。
「何をしたいか」より「どうなりたいか」|理想像から考える
答えのない問いを考えるのはストレスがかかります。だからみんな、この手の問いから逃げます。でも、ここまで読み進めてくれたきみとは、一緒に考えてみたいです。
僕がこのテーマで大切にしているのは、「どうなりたいか」という理想像です。これを先に考えると、自分なりの答えがぐっと導きやすくなります。
僕でいうなら、「挑戦を通じて成長し続けられる人」でありたい、というのが理想像です。これが明確だと、日々の言葉も、行動も、習慣も、意思決定も、自然とこの軸で決まっていきます。挑戦と成長を掲げている僕が、日々の勉強を怠るかというと、答えはNOですよね(笑)。
きみも考えてみてください。
- かっこいいなと思う大人は、どんな人か
- 逆に「ああはなりたくない」と思う生き方は、どんなものか
- これまでの人生で「いいな」と心が動いた瞬間は、いつだったか
ポイントは、名詞(職業名)ではなく、動詞と形容詞で考えることです。「人の話をちゃんと聞ける人でありたい」「面白がって生きていたい」「誰かの背中を押す側にいたい」。
何をしたいか(What)はこの先いくらでも変わりますが、どうありたいか(Being)は簡単には変わりません。そして理想像が先にあれば、やりたいことは後から、しかも複数見つかります。
「何のために生きるか」を言語化してみる
ここから一段深い話をします。重たい問いに見えますが、進路を考えるうえで一番効く問いです。
僕の場合、「挑戦と成長によって何をしたいのか」を掘っていくと、2つ出てきました。①自分ができることを増やすこと(英会話、動画編集、写真編集……)、②見えている世界の解像度を上げること(人の行動原理、心の動き、デザインの意図、自分とは何者か……)。これらはもう、純粋な好奇心から来ています(笑)。
そして、人・本・動画・音楽・自然。いろいろなものから得た知見や経験を、目の前の人にどう還元できるか。この導線をつくることに、いつも頭を使っています。
つまり、「生きていること全てから学びを得て、それを大切な人のために使う」。これが、僕の生きる意味です。
ここまで言語化できたきっかけのひとつが、前田裕二さんの『メモの魔力』という本でした。日常の出来事(事実)をメモして、そこから法則を取り出し(抽象化)、自分の行動に活かす(転用)。この「事実→抽象化→転用」という思考の型は、そのまま自己分析に使えます。興味がある人は読んでみてください。
きみが今日から使えるように、問いを3つ置いておきますね。
- これまでで一番夢中になった時間は? それはなぜ夢中になれた?
- どうしても許せないこと、腹が立つことは?(怒りは、大事にしている価値観の裏返しです)
- 10年後、どんな人たちと、どんな時間を過ごしていたい?
答え(事実)をノートに書き出して、「つまり自分は、何を大事にしている人間なのか?」と一段抽象化してみてください。そこに出てきた言葉が、きみの理想像の材料になります。
理想像を進路に翻訳する
「どうなりたいか」が言葉になったら、進路への翻訳は思っているより簡単です。その理想像に近づける環境はどこか、という基準で大学や学部を見られるようになるからです。
「偏差値が届くから」ではなく「ここなら自分がなりたい姿に近づける」で選んだ進路は、志望理由を書くときに強いですよ。
言葉にするのがどうしても難しければ、"人"から入る手もあります。「この人みたいになりたい」というロールモデルが見つかると、理想像は一気に具体化します。この方法は「目標」をつくるより「目標にしたい人」を見つけるで詳しく書きました。
そして総合型選抜では、「どうなりたいか→だから、この大学で学びたい」という筋道が、そのまま志望理由書の背骨になります。書き方は刺さる志望理由書の書き方で解説しています。総合型選抜という選択肢を含めた全体像は総合型選抜のすべてにまとめています。
まとめ
- やりたいことが見つからないのは欠陥ではない。悩めるのは向上心の証拠
- 職業名(What)から探すのをやめて、「どうなりたいか」(Being)から考える
- 「何のために生きるか」は、事実→抽象化→転用の型で言語化できる
- 怒り・夢中・憧れは、自分の価値観を教えてくれるセンサー
- 理想像が決まれば、大学選びの基準になり、志望理由書の背骨になる
「どうなりたいか」が少しでも言葉になったら、次はそれを志望理由に変換する番です。
一人で言語化するのが難しいと感じたら、僕は個人の活動として、少人数だけオンラインでの伴走を続けています。ご相談はきみだけ塾 公式LINEにて(受け入れ人数に限りあり)。

