「英語を話せるようになりたい。でも、留学するお金も時間もない」。そう思っている人に、まず結論をお伝えします。

日本にいながら、独学で英語は話せるようになります。

僕はカナダに留学して、TESOL(英語を母語としない人への英語教授法。その国際資格)を学んで、英語を話せるようになりました。そのうえで断言できます。留学は素晴らしい経験でしたが、「英語を話すスキルの習得」だけなら、日本でできます(笑)。

このページでは、大学入試の英語を10年教えてきた僕が、日本にいながら「使える英語」に届くまでの全体像をマップとして示します。各ステップの詳しいやり方は、それぞれの記事に譲ります。

まずはここで、自分が今どこにいて、次に何をすればいいのかを掴んでみてください。

通知表「3」だった僕が、英語を話せるようになるまで

最初に少しだけ自分の話をさせてください。「もともと英語が得意な人の話でしょ」と思われたくないんです。

小学生の時、クリスマスプレゼントと一緒にサンタからの色紙をもらいました。今思うと、母の粋な計らいだったのだと思います。その頃から「英語ってなんだかかっこいい」と思うようになって、いつしか英語を話すことが夢のひとつになりました。

とはいえ現実は残酷で、中1の1学期の中間テストは70点、通知表は3でした。当時の最初のテストなんて、アルファベットの大文字と小文字、be動詞の簡単な文くらいなものです。それでも取れませんでした。相当悔しかったんだろうな、今でも鮮明に覚えています(笑)。

その悔しさをバネに勉強して、大学では英文学を専攻しました。シャーロット・ブロンテの『ジェイン・エア』を卒論で研究するくらい読み込みました。

そして新卒で予備校の英語教師になったんですが、ここである違和感にぶつかります。

「英語を話せない、海外に行ったこともない、でも勉強だけはできるから英語を教えている」。それでいいのか?

その違和感が僕を動かして、会社を辞めてカナダに留学しました。TESOLを通して第2言語習得の理論とネイティブの指導法を学び、自分自身が「英語を話せるようになる過程」をサンプリングしてきました。このロードマップは、その理論と実体験の両方に基づいています。

留学しなくても英語は話せるようになる

留学から帰国して、いちばん強く思ったことがこれです。

「日本にいながらでも、十分英語は話せるようになる」

留学が無駄だったとは全く思いません。人生の大きな分岐点でした。でも、こと「話すスキルの習得」のみにフォーカスした場合、留学で得たものは方法論の学び以上ではなかった、というのが正直なところです。

つまり、方法論さえ知っていれば日本で再現できます。

ただし、多くの人の悩みの種は「その方法がわからない」ことなんです。そして本音は「できるだけ楽して話せるようになりたい」だと思います(笑)。わかります。だからこそ、遠回りしないための全体像が必要になるんですよね。

留学すべきかどうか迷っている人は、留学は必要か|留学してわかった「不要論」で詳しく書いたので、そちらを読んでみてください。

なぜ「勉強したのに話せない」のか|英語はスポーツです

ロードマップの前に、大前提をひとつ。

英語を話すことはスポーツです。 練習すれば誰でも上達しますが、やり方を考えて工夫しないと伸びません。そして自己流より、基礎を固めるほうが結果的に近道になります。

英語の4技能は、reading / listening の「インプット」と、writing / speaking の「アウトプット」に分けられます。この2つ、明らかに使う頭が違います。

読める・聴けるのに話せないのは、能力がないからではありません。アウトプットの練習をしてこなかったから。それだけの話です。

だから「何年も英語を勉強したのに話せない」のは当たり前なんですよね。これまで話すのとは違う頭を使ってきたんですから。まずそれを受け入れて、発信の練習を始めればいいと思っています。

このメカニズムはなぜ日本人は勉強しても英語を話せないのか4技能の"頭の使い分け"で掘り下げています。「原因」を理解したい人はどうぞ。

日本にいながら「使える英語」に届く6ステップ

ここからが本題の全体マップです。僕自身がトライアンドエラーの末にたどり着いた、6つのステップを順に見ていきます。

ステップ1: 中学英文法をマスターする

テキスト一冊を完璧にすれば十分です。会話においては「後置修飾」(名詞を後ろから説明する形)の汎用性が高いので、不定詞・関係代名詞・分詞あたりが特に大事になります。

「中学レベルで会話なんて成立するの?」と思うかもしれませんが、成立します。その理屈と使い方は中学英文法だけで会話は成立するにまとめました。

ステップ2: 単語と頻出フレーズを固める

単語量はあるに越したことはないですが、会話ならまず「よく使うフレーズ」からです。I'm gonna 〜 とか、I mean とか、something like that とかですね。

単語の暗記自体は、やり方次第で劇的に楽になります。具体的な方法は英単語の覚え方|1単語2秒×1日3周にまとめています。どの単語帳を使うかは目的別・英単語帳の選び方で目的別に紹介しています。

ステップ3: 基礎フレーズの暗唱とスキマ時間リスニング

日本語から英語の音声を、車での移動などスキマ時間に反復して聴きます。挨拶程度でも、意外と考えなしには口から出てこないので、「考えなくても出る」状態まで暗唱してみてください。

あと、店で注文するフレーズって結構知らないんですよね。僕は留学先のバンクーバーのスタバで「〜ください」の言い方がわからず、「コーヒー!!ビッグワン!!イエア!!プリーズ!!」とノリで注文したのがいい思い出です。※「〜ください」は Can I have 〜? です。中学校の教科書の会話表現はそのまま使えるものが多いので、復習しておくといいと思います。

ステップ4: 書く→添削→音読のサイクル

「あなたの尊敬する友人は誰ですか」みたいなオープンクエスチョンに、自分の意見を書けるようになることが目標です。ライティングとスピーキングは相関しているので、書ける人は話せるようになります。

僕は無印良品で買ったポケットサイズの日記帳に3ヶ月間英語で日記をつけたら、結構書けるようになりました。そこからはスピーキングテストのお題をネットから引っ張ってきて、意見文作成、添削してもらう、音読・暗唱、というサイクルを回していました。

今は Hello Talk や Tandem で、日本語を学びたい英語圏の友達と言語交換すれば無料で添削してもらえます。いい時代ですね!

ステップ5: 好きなことと英語を結びつける

僕の場合は洋楽と映画とポッドキャストとTED Talkの4つでした。「よしやるぞ!」という勉強感覚だと続かないので、娯楽として日常に取り込むのがコツです。

映画は英語字幕で、同じ作品を何回も観るのが効果的です。僕は『Zootopia』を5回くらい観ました(笑)。長い映画がしんどい人はドラマでもいいと思います。僕は『New Girl』というコメディドラマを毎日観ていました。

ステップ6: 度胸をつける

実はこれが一番大事です(笑)。僕のおすすめは、国際交流イベントなどで海外の人とお酒を飲みながら話すことです。「完璧な英語じゃなくてもいいんだ!」と気づけたら、上達は一気に早くなります。文法がめちゃくちゃでもスラスラ話す友人たちを見て、僕はそれを実感しました。

「話せること」自体に意味はない。でも、英語が話せる人生はいい

最後に、少しだけ先の話を。

僕はこの方法で英語を話せるようになりましたし、今もその状態を維持できています。でも正直、「話せること」自体には意味がないんですよね。旅行では使えますけど(笑)。

せっかく身につけたスキルは、「どう人のために使えるか」を考えて行動しないともったいないと思っています。

とはいえ、始める動機は単純でいいです。僕もはじめは「なんとなく、かっこいいから」でした。この原点については英語が話せる"人生"はいいに書きました。

まとめ: 使える英語への最短ルート

  • 英語は日本にいながら独学で話せるようになる。留学は必須ではない
  • 話せないのは能力の問題ではなく、アウトプットの練習をしてこなかっただけ
  • 土台は中学英文法+800〜1000語レベルの単語・フレーズ
  • 書く→添削→音読のサイクルと、好きなこと×英語で継続する
  • 最後にものを言うのは度胸。完璧じゃなくていい

まずはステップ1と2からです。各記事で具体的なやり方を確認して、今日から始めてみてください。


この勉強は、将来どこに繋がるか

英語は身につけた瞬間ではなく、「何のために使うか」を見つけた瞬間に人生を変えます。その目的を考えるクセは、英語に限らずすべての勉強のモチベーションになります。

勉強する意味を言語化する