文教大学 国際理解学科 総合型選抜・公募制推薦の傾向と対策|課題図書6冊と英語資格の使いどころ

こんにちは、ふたがみです。

「国際系の学科は、英検2級くらい持っていないと年内入試には出せない」。三者面談でそう言われて、志望校のリストから国際学部を外そうとしている人がいます。

文教大学の国際理解学科に関しては、その前提が違います。

年内入試の入口は3つあります。そのうち課題遂行型には、評定の条件も英語資格の条件もありません。大学入学資格があって、学科のアドミッション・ポリシーに賛同していれば出せます1。

そのかわり、やることがはっきり決まっています。指定された3冊の本から1冊を選んで読み、2,000字のレポートを書いて郵送し、試験当日にプレゼンをします。

この記事では2027年度の入学試験要項から、課題図書6冊の書名、英語資格8種のスコア基準、方式ごとの配点と倍率を書き出します。

結論

英語の資格を持っているかどうかで分かれます。

持っているなら、資格優先型と課題遂行型を同じ日に両方受けてください。文教の国際学部は、同一日に同学科のもう一方の型と併願受験ができる設計です1。片方に落ちても、もう片方が残ります。

持っていないなら課題遂行型です。評定も英語資格も問われません。ただし出願とは別に、2,000字のレポートを郵送する締切があります。

3つ目が公募制推薦です。全体の評定3.5以上、学校長の推薦、現役、専願。この4つがそろう人だけが出せます2。

そしてもう1つ。1期で決めてください。

方式 志願者 合格者 倍率
課題遂行型 1期 29 23 1.3倍
課題遂行型 2期 7 2 3.5倍
資格優先型 1期 13 11 1.2倍
資格優先型 2期 7 1 7.0倍
総合型選抜 合計 56 37 1.5倍

2026年度入試の実績です3。1期は1倍台、2期は3.5倍と7.0倍。同じ方式でも、期が変わると別の試験になります。

2期の志願者は7名ずつしかおらず、母数が小さいので数字の振れ幅も大きいのですが、合格者が2名と1名まで絞られていることは動きません。募集7名の大半は1期で決まっていると考えるのが自然です。9月1日からの出願に間に合わせてください。

基本情報

募集人員・日程・配点・課題内容は2027年度の入学試験要項のものです。倍率だけは実績値なので2026年度を使います。年度が混ざらないよう、表ごとに年度を書いています。倍率はすべて「志願者数 ÷ 合格者数」で計算しています。

項目 内容
学部・学科 国際学部 国際理解学科(入学定員120名)1
キャンパス 東京あだちキャンパス(東京都足立区花畑5-6-1)1
年内入試の方式 3つ(総合型選抜 課題遂行型/総合型選抜 資格優先型/公募制推薦)12
募集人員 総合型選抜 7名(2型・1期2期の合計)/公募制推薦 5名12
出願要件 課題遂行型は要件なし/資格優先型は英語資格/公募制推薦は評定3.5以上+学校長の推薦+現役+専願12
配点 課題遂行型200点/資格優先型200点/公募制推薦250点12
試験日 総合型1期 10月11日(日)/2期 12月6日(日)/公募制推薦 11月22日(日)12
入学検定料 35,000円(1志願)1
倍率(2026年度) 総合型選抜1.5倍/公募制推薦1.2倍3

募集7名に対して、総合型選抜の志願者は56名でした。同じ学部の国際観光学科は志願71名・合格41名で1.7倍、公募制推薦は志願17名・合格5名で3.4倍です3。国際理解学科のほうが数字の上ではゆるいことになります。ただし枠は7名です。

そして数字は動いています。2025年度は志願46名・合格42名で1.1倍でした3。1年で志願が10名増え、合格が5名減っています。2027年度の1期には課題遂行型だけで35名が出願していて、前年の同じ時期の29名を上回りました4。「去年は1倍台だったから」を前提に組み立てないでください。

総合型選抜 課題遂行型|配点200点

出願資格|評定も英語資格も問われません

要項に書かれている条件は2つだけです1。

  1. 大学入学資格のいずれかを有する者、および2027年3月31日までに有する見込みの者
  2. 各学科のアドミッションポリシーに賛同する者

それだけです。評定の下限も英語資格の指定もなく、既卒の人も出せます。年内入試の中でいちばん入口が広い方式です。

配点|課題遂行が4分の3です

科目 配点
書類審査 50
課題遂行 150
合計 200

書類は50点しかありません1。課題遂行が150点で全体の4分の3です。

この150点は当日のプレゼンだけを指しません。要項は「書類審査、事前課題(レポートおよびプレゼンテーション資料)、当日のプレゼンテーション、グループディスカッションの内容をもとに、総合的に評価します」と書いています1。夏に書いたレポートも、この中に入っています。

課題図書は6冊。1期と2期で3冊ずつです

ここが国際理解学科の中心です。1期は3冊から1冊、2期は別の3冊から1冊を選びます1。

課題遂行型1期の課題図書

著者 書名 出版社・レーベル 価格(税込)
本田由紀 『「日本」ってどんな国?国際比較データで社会が見えてくる』 筑摩書房・ちくまプリマー新書(2021年) 1,056円
平賀緑 『食べものから学ぶ世界史 人も自然も壊さない経済とは?』 岩波書店・岩波ジュニア新書(2021年) 990円
久保田竜子 『英語教育幻想』 筑摩書房・ちくま新書(2018年) 902円

課題遂行型2期の課題図書

著者 書名 出版社・レーベル 価格(税込)
上野千鶴子 『女の子はどう生きるか 教えて、上野先生!』 岩波書店・岩波ジュニア新書(2021年) 1,056円
安田菜津紀 『隣人のあなた 「移民社会」日本でいま起きていること』 岩波書店・岩波ブックレット(2022年) 638円
鳥飼玖美子 『異文化コミュニケーション学』 岩波書店・岩波新書(2021年) 1,034円

6冊とも新書かブックレットで、いちばん高い本でも1,056円です。書店で買うか図書館で借りるか、各自で入手する決まりになっています1。

そして6冊の並びに、この学科が何を国際理解と呼んでいるかが出ています。1期は労働と教育の国際比較、食と経済のグローバル化、英語教育をめぐる思い込み。2期はジェンダー、移民、異文化コミュニケーション。「海外に行く話」は1冊もありません。日本の社会を外から見る、あるいは日本の中にある多様性を見る。そういう向きの本ばかりです。志望理由を「留学したいから」でまとめている人は、ここでずれます。

事前課題は2つ。レポートとプレゼン資料です

事前課題① 選んだ本を読み、2,000字程度のレポートを書きます。氏名と高校名を記載します。原稿用紙を使う場合はマス目でも枠外でも構いません。参考文献と図表は文字数に含めません1。

事前課題② その上で、読んだ本のテーマに関連する、もしくはそのテーマを発展させた、わたしたちが現在直面している問題を具体的に取り上げたプレゼンテーション資料を作り、試験当日に発表します1。

②の読み方に注意してください。「本の要約を発表する」のではありません。本のテーマから出発して、いま現実に起きている問題を自分で1つ選び直すことが求められています。

レポートは1部を速達・簡易書留で郵送します。送付先は東京あだちキャンパス(〒121-8577 東京都足立区花畑5-6-1)の文教大学入試課 国際学部総合型選抜課題レポート係で、封筒の裏面に志望学科・氏名(フリガナ)・住所を書きます1。プレゼンテーション資料は試験当日に8部持参します(配布用7部と提出用1部)1。

レポートの締切は出願とは別で、1期と2期で順番が逆です

出願期間 レポート提出期間
1期 2026年9月1日(火)10:00〜9月8日(火)13:00 2026年9月18日(金)〜9月25日(金)
2期 2026年11月16日(月)10:00〜11月24日(火)13:00 2026年11月4日(水)〜11月24日(火)

いずれも郵送は消印有効です1。1期は出願を済ませた10日後にレポート提出期間が来ますが、2期はレポートのほうが先に始まります。

1期は出願してから書き始めても形の上では間に合いますが、期間は8日間です。2期は出願が始まる11月16日の時点で、レポートの提出期間はもう12日経過しています。締切はどちらも11月24日でそろうので、出願手続きを終えてから書き始めると、残りは9日しかありません。2期を選択肢に入れるなら、10月中に仕上げてください。

当日は発表7分、質疑3〜5分、ディスカッション10分です

数名ごとに1つの教室に集まり、発表順を決めて進みます1。

内容 時間
プレゼンテーション 1人7分程度
質疑応答 1人3〜5分程度
グループディスカッション 10分程度(監督者が加わる場合あり)

発表7分は長いほうです。原稿を読み上げるだけでは持ちません。そしてディスカッションが10分あるので、他の受験生の発表を聞いて、その場で意見を返す場面が必ず来ます。1人で完結する試験ではありません。

発表方法はパワーポイントなどのソフト(プロジェクターとPCは大学が用意します)か、ポスターやフリップチャートから選べます。PCを使う場合、発表用データはUSBに入れて持参し、PC側のコネクタはUSB Type-Aに限られます。大学のPCはWindowsで、PowerPoint・Word・Excel・Accessの2024版とAdobe Acrobat、Photoshopが入っています。これ以外のソフトを使いたい場合や自分のPCを持ち込みたい場合は、出願期限までに大学へ相談する決まりです1。課題についての質問は国際学部の窓口(kokusai-sogo@bunkyo.ac.jp)がメールで受け付けています1。

大学自身が、評価の考え方を公開しています

文教大学の国際学部は、オープンキャンパスで開いた総合型選抜対策講座の資料を、そのままPDFで公開しています5。国際理解学科の課題遂行型向けの回に、プレゼン資料の作り方が書かれています。読み取れることが3つあります。

1つ目。課題図書とレポートとプレゼンが、つながっているかを見ています。資料は「課題図書の内容、さらには課題図書について自分が提出したレポートの内容と、プレゼンテーションの内容がきちんとつながっているかどうかは非常に重要なポイント」としています5。レポートの話と当日のプレゼンが別物になっていると、そこで落ちます。

2つ目。「意識改革」で終わる提案を評価していません。資料は「社会的な問題や課題は人の『意識改革』だけでは解決できないものがほとんど」とし、問題を引き起こしている「社会的な構造」のほうに注目するよう促しています。その問題にどのような歴史的・社会的背景があるのか、関係するルールや制度(法律など)はどうなっているか、という視点です5。「一人ひとりが意識を変えれば」で締めるプレゼンは、この学科では通りません。

3つ目。引き算を求めています。必要そうな情報を最大限盛り込んだ原案を先に作り、そこからどう情報を引き算していくかを考える手順を勧めています。発表の目次を明記して構成を一目でわかるようにすること、時間を測って予行演習を繰り返すことも書かれています5。

大学が自分で対策資料を出している入試は多くありません。読んだ人と読んでいない人で差がつきます。

総合型選抜 資格優先型|配点200点

英語資格は8種類。どれか1つでかまいません

次のいずれか1つを満たせば出願できます1。

試験 必要なスコア
実用英語技能検定(S-CBT、S-Interviewを含む) 2級以上の合格、かつ英検CSEスコア1,980点以上
TOEFL iBT Overall Score 3以上(2026年1月20日以前の旧試験は42点以上)
TOEIC L&RとS&Wのスコア合計790点以上
GTEC(CBT、検定版Advanced) 930点以上
ケンブリッジ英語検定 140点以上
IELTS(Academic Module) 4.0以上
TEAP 225点以上
TEAP CBT 420点以上

英検は「2級以上の合格」と「CSE1,980点以上」の両方が必要です。片方だけでは足りません。手元の合格証明書とスコアの両方を見てください。

TOEICが使えるのはこの学部の特徴です。ただしL&RとS&Wの合計790点という指定なので、スピーキングとライティングを受けていないと出せません。L&Rだけ受けて止まっている人は、S&Wの受験日程を先に押さえてください。IELTSは4.0以上で、英語資格の要件としては低い水準です。

証明書は受験した機関や学校で発行してもらいます。有効期限が定められている証明書は、出願時に有効期限内のものに限られます1。TOEIC・TEAP・TEAP CBTは原本(コピー不可)です。TOEFLだけは扱いが違い、ETSから文教大学入学センター(大学コード8551)へOfficial Score Reportsの直送手配が必要なので、日数を見込んでいちばん早く動いてください1。

配点|書類が6割です

科目 配点
書類審査 120
口頭試問 80
合計 200

課題遂行型とちょうど逆で、書類が120点あります1。全体の6割です。

ここで言う書類は志願票・調査書・学修計画書・資格証明書の4点で、中身を自分で書けるのは学修計画書だけです1。120点を左右するのは、実質この1枚です。

学修計画書は手書きです。項目は2つだけ

要項に付いている所定用紙を見ると、記入欄は「入学後の学修目標」と「目標達成のための学修計画」の2つしかありません。そして「必ず志願者本人が手書きで記入すること(HBまたはBの鉛筆を使用)」と指定されています1。パソコンで作って印刷、はできません。

志望動機を書く欄がないことに注意してください。聞かれているのは「入学後に何をするか」と「そのためにどう進めるか」です。過去ではなく、入学してからの設計図を求められています。鉛筆書きなので書き直しはききますが、清書の時間は見込んでください。

口頭試問は英語と日本語の両方で行われます

要項に「口頭試問は英語と日本語で行います」と明記されています1。

英語資格を出願要件にしている以上、紙のスコアだけでなく、その場で話せるかを見ています。スコアは持っているが話す練習をしていない、という人は落ちます。

配点は80点で、書類120点に対して4割です。書類の形式が全員ほぼ同じになるぶん、ここが実質の勝負どころになります。英語で自分の学修目標を1分話せるか。学修計画書に書いた内容を英語で説明できるようにしておくと、そのまま準備になります。

課題遂行型と資格優先型は、同じ日に両方受けられます

要項に明記されています。国際学部(国際理解学科・国際観光学科)は、同一日に同学科のもう一方の型と併願受験が可能です1。1期どうし、2期どうしの組み合わせです。

型 集合時間
課題遂行型 9:30
資格優先型 14:00

午前に課題遂行型、午後に資格優先型。1日で2回受けられます1。募集人員は2型合わせて7名ですが、受験機会は2つになります。英語資格を持っているなら、両方に出さない理由はほとんどありません。ただし両方受けるなら課題遂行型の2,000字レポートとプレゼン資料も必要で、準備は倍かかります。

併願するときは、志願票と調査書が1通で済みます

これは要項の出願書類チェックリストにだけ書かれている話です。

本文のほうには、調査書は「総合型選抜に出願するたびに1通提出が必要です」と書かれています。ところが国際学部のチェックリストには、「課題遂行型と資格優先型を併願受験する場合、『志願票』と『調査書』の提出は1通で構いません。複数送付する必要はありません」という注記があります1。

調査書は学校に発行を依頼する書類です。2通要ると思って頼むか、1通で足りると知っているかで、先生にかける手間が変わります。2型併願なら1通です。

なお学修計画書はこの注記の対象に入っていません。2型に出すなら学修計画書は2枚という読み方になります。手書きなので、時間を見ておいてください。

海外経験は、どこで効くのか

英語資格と並んで多いのが、「留学経験やホームステイは評価されますか」という質問です。

要項を最後まで読んでも、海外経験を評価する項目は出てきません。加点の仕組みもなければ、活動報告書のような提出物もありません。出願書類は志願票・調査書・学修計画書の3点(資格優先型はこれに資格証明書)だけです1。

同じ大学の文学部外国語学科は、出願書類の「入学希望書」で国際交流や外国語に関わる活動歴をまとめて書かせ、活動を証明する書類のコピーを添付させます2。国際理解学科の総合型選抜には、それに当たる書類がありません。(国際理解学科でも、公募制推薦のほうでは「入学希望書」を提出します。こちらは志望動機と、国際交流や国際観光に関する体験・学習に関わる活動歴等をまとめて記述する書類です2。海外経験を書面で申告できるのは公募制推薦のほうで、総合型選抜にはその欄がありません。)

つまり海外経験が入る場所は2つです。

1つは学修計画書。ただし欄は「入学後の学修目標」と「目標達成のための学修計画」の2つだけなので、「海外にいました」という報告のままでは、どちらの欄にも収まりません。その経験から何を課題として持ち帰り、入学後に何を調べるのか、という形に変える必要があります。

もう1つは事前課題のレポートとプレゼンです。こちらのほうが器として大きい。課題図書のテーマから「わたしたちが現在直面している問題」を取り上げる課題なので、自分が現地で見た具体的な場面を、問題の入口として置けます。安田菜津紀『隣人のあなた』を選んで日本の在留資格の制度を扱うときに、自分が暮らした国の受け入れの仕組みと並べる。鳥飼玖美子『異文化コミュニケーション学』を選んで、現地の学校で通じなかった言い回しから始める。効くのは「行ったことがある」ことではなく、「行った先で制度の違いに気づいた」という中身です。

海外経験がない人が不利になる設計にもなっていません。久保田竜子『英語教育幻想』は日本の英語教育そのものを扱う本ですし、本田由紀『「日本」ってどんな国?』は国際比較データを読む本です。日本にいながら国際比較の材料を持てる本が、ちゃんと用意されています。

公募制推薦|配点250点・専願・現役のみ

出願資格

次の3つをすべて満たす必要があります2。

  1. 日本の高等学校もしくは中等教育学校を2026年4月から2027年3月までに卒業見込みの者
  2. 本学を専願とする者
  3. 高等学校入学以降、出願期日までの全体の学習成績の状況が3.5以上(国際学部は全学科共通)

卒業見込みが条件なので、現役生に限られます。既卒の人は総合型選抜のほうを見てください。学校推薦型選抜では1学科のみ出願可能です2。

配点と時間割

科目 配点 時間
小論文 100 10:00〜11:00(60分)
口頭試問 100 小論文終了後、順次
書類審査 50
合計 250

小論文60分で100点、口頭試問100点。この2つが同じ重さで、合わせて250点中の200点です2。書類は50点で2割なので、当日の出来に寄った設計です。試験は2026年11月22日(日)、東京あだちキャンパス、集合9:30です2。

出す書類は出願書類チェックリスト・志願票・調査書・推薦書・入学希望書の5点です2。推薦書は本学所定の様式を学校長が作成して厳封します。国際学部は学修計画書が不要なかわりに、入学希望書が要ります。

入学希望書は、総合型選抜にはない書類です。本学所定の様式を使い、学科への志望動機および国際交流や国際観光に関する体験・学習に関わる活動歴等について、まとめて記述します。志願者本人が手書き(HBまたはBの鉛筆)です2。総合型選抜の学修計画書が「入学後に何をするか」だけを聞くのに対し、こちらは志望動機と、これまでの活動歴の両方を聞かれます。海外経験や語学の活動を書面で出せるのは、年内入試ではこの1枚だけです。

2026年度は志願6名・合格5名で1.2倍、2025年度は志願3名・合格3名で1.0倍でした3。募集5名に対して志願者が6名と3名です。倍率だけ見れば年内入試でいちばん通りやすく見えますが、評定3.5と学校長の推薦と現役と専願をそろえられる人しか出願していない結果でもあります。条件を満たしていて文教が第1志望だと決まっているなら、ここが最短です。

専願かどうかと、入学金をいつ払うか

保護者の方にいちばん関係する話です。

公募制推薦は専願です。出願資格に「本学を専願とする者」と書かれており、要項は「専願であることを出願条件としている入試の場合、入学を辞退することはできません」と明記しています12。

一方、総合型選抜の課題遂行型と資格優先型には、専願の条項がありません。出願資格は先に挙げた2つだけで、専願の文言は入っていません1。大学が公開している志願者情報の一覧でも、専願を示す★印が付いているのは教育学部の学校教育課程・発達教育課程と、文学部英米語英米文学科の文教大学同窓の行だけで、国際学部の行には付いていません4。

方式 出願期間 試験日 合格発表 入学手続締切
総合型 1期(両型とも) 2026年9月1日〜9月8日 10月11日(日) 11月2日(月)13:00 11月10日(火)
総合型 2期(両型とも) 2026年11月16日〜11月24日 12月6日(日) 12月11日(金)13:00 12月18日(金)
公募制推薦 2026年11月1日〜11月10日 11月22日(日) 12月1日(火)13:00 12月11日(金)

出願書類の郵送は出願締切日の消印有効、合格発表はマイページ(インターネット出願サイト)です12。課題遂行型はこれとは別にレポートの提出期間があります(1期9月18日〜25日、2期11月4日〜24日)。

どの方式も、合格したら年内に入学手続きを済ませる形です。文教は1段階手続きで、入学手続締切日までに学納金の支払い・オンライン入学手続きでの情報登録・必要書類の提出をすべて終える決まりになっています1。

国際学部の1期分の学納金は、入学金280,000円・授業料403,500円・教育充実費180,000円の合計863,500円です。2期分(授業料403,500円と教育充実費90,000円の計493,500円)は2027年9月下旬です1。1期で合格すると、11月10日までに863,500円を納めることになります。

ここで総合型選抜と公募制推薦の差が出ます。

総合型選抜は専願ではないので、辞退できます。要項の学納金返還方針は、入学手続き完了後に辞退する場合、2027年3月31日までに所定の返還手続きを行えば、入学金を除く学納金を返還するとしています1。返ってくるのは583,500円、戻らないのは入学金280,000円です。公募制推薦は専願なので、この選択肢がありません。

第1志望が固まりきっていないうちは、公募制推薦ではなく総合型選抜です。28万円で進学先を1つ確保したうえで、2月3月の一般入試を受ける組み立てが制度上できます。ご家庭で話しておくのは、この28万円を11月10日までに出せるかという点です。

対策の順序

第1段階:英語資格が使えるか確認する(高3の春)

資格優先型に出せるかどうかで、戦い方が変わります。英検なら2級以上の合格とCSE1,980の両方、TOEICならL&RとS&Wの合計790、GTECなら930、IELTSなら4.0。S&Wを受けていないならこの時期に受験日を押さえます。TOEFLで出す人はETSからの直送手配を先に始めてください。

到達基準: 資格優先型に出せるか出せないかが、証明書を見てはっきり言えること。

第2段階:課題図書を1冊読む(高3の7月)

1期の3冊から選びます。本田由紀、平賀緑、久保田竜子。選ぶ基準は「面白そうか」ではなく、「この本のテーマから、いま起きている問題を1つ引き出せるか」です。読みながら、気になった社会の仕組みに付箋を貼ってください。

到達基準: 1冊読み終えて、その本のテーマから現在の問題を3つ挙げられること。

第3段階:2,000字のレポートを書く(高3の8月)

1期の提出期間は9月18日から25日です。出願(9月1日〜8日)のあとに来ますが、出願手続きと並行して書くのは重い作業なので、8月中に初稿を作ってください。参考文献と図表は文字数に含まれません。本の内容と、自分が取り上げる現在の問題がどうつながっているかを、本文で説明してください。

到達基準: 8月末に2,000字の初稿があり、学校の先生に1回見てもらっていること。

第4段階:7分のプレゼンを作る(高3の9月)

レポートと同じ線の上に作ります。大学の資料が「レポートの内容とプレゼンテーションの内容がきちんとつながっているか」を重要なポイントに挙げています5。そして解決策を「意識改革」で終わらせないでください。その問題に関する法律や制度がどうなっているかを1つ調べて、そこを動かす提案にします。目次のスライドを1枚入れて、構成が一目でわかるようにしてください。

到達基準: 7分の発表を、原稿を見ずに時間内で通せること。資料が8部印刷できていること。

第5段階:ディスカッションと口頭試問の練習(高3の10月)

当日はプレゼンのあと、同じメンバーで10分のディスカッションがあります。他の受験生の発表を聞いて、その場で意見を返す練習をしてください。学校の友達と発表を見せ合うのがいちばん早いやり方です。資格優先型にも出すなら、口頭試問は英語と日本語です。学修計画書に書いた入学後の目標を、英語で1分説明できるようにしてください。

到達基準: 他人の発表に対して、質問を1つとコメントを1つ返せること。英語で1分、詰まらずに話せること。

同じ分野で読むなら

国際系の年内入試は、英語資格が「出願条件」なのか「加点」なのか、そもそも要らないのかが大学ごとに違います。いま持っている証明書で出せる大学を先に洗い出してから、対策の時間配分を決めてください。

英語資格を1つも持っていないなら、選べるのは文教の課題遂行型、神田外語の総合型10月選考(英米語・アジア言語・イベロアメリカ言語)、獨協のドイツ語C・フランス語Cの3つです。このうち文教だけが専願ではありません。第1志望が固まっていないなら、文教から当たってください。

同じ大学で迷っているなら

同じ文教大学 国際学部の国際観光学科も、年内入試の枠組みはここまで書いたとおり同じです。同一日の2型併願、集合時間9:30と14:00、口頭試問が英語と日本語、英語資格8種の基準、公募制推薦の評定3.5。ここはすべて共通です。

国際理解学科 国際観光学科
総合型選抜 募集人員 7名 8名
課題遂行型1期の課題 課題図書3冊から1冊を読んでレポート テーマを自分で設定して観光の提案
課題遂行型2期の課題 別の課題図書3冊から1冊 観光の課題図書4冊から1冊
総合型選抜の倍率(2026年度) 志願56・合格37で1.5倍 志願71・合格41で1.7倍
公募制推薦の倍率(2026年度) 志願6・合格5で1.2倍 志願17・合格5で3.4倍

募集人員は2027年度、倍率は2026年度の実績です13。いちばん大きな差は課題遂行型1期の課題です。国際理解学科は本を読むところから始まり、国際観光学科は自分でテーマを立てて根拠データを探すところから始まります。本を読むほうが手がかりは多く、テーマを立てるほうが自由度は高い。どちらが自分に向いているかで選べます。

年内入試そのものの全体像は総合型選抜のすべてにまとめています。


この記事は2027年度 入学試験要項にもとづいています(倍率のみ2026年度・2025年度の実績)。最終更新: 2026年9月

出典

  1. 募集人員・出願資格・出願書類・学修計画書の様式・配点・課題図書・事前課題・レポート提出期間・当日の進行・発表方法とPC条件・実施日程・同一日併願・2型併願時の書類・英語資格の要件と証明書の提出方法・入学検定料・入学手続き・学納金・学納金返還方針。文教大学「2027 入学試験要項 総合型選抜 国際学部」p.22〜23、p.24、p.34〜36、p.41〜48、p.50〜52 https://www.bunkyo.ac.jp/admission/overview/download/file/file_ao_kokusai.pdf ↩
  2. 公募制推薦の募集人員・出願資格・配点・試験時間・日程・出願書類・入学希望書(国際学部および文学部外国語学科)。文教大学「2027 入学試験要項 公募制推薦入試」p.22〜23、p.41〜46、p.51、p.54 https://www.bunkyo.ac.jp/admission/overview/download/file/file_suisenn_koubo.pdf ↩
  3. 2026年度・2025年度の志願者数・合格者数。倍率は志願者数を合格者数で割って算出。旺文社 大学受験パスナビ「文教大学 国際学部 入試結果(倍率)」https://passnavi.obunsha.co.jp/univ/2070/bairitsu/?facultyID=025 ↩
  4. 2027年度 総合型選抜1期の志願者数(2026年9月16日 確定値)と専願の表示。文教大学「志願者情報」https://www.bunkyo.ac.jp/admission/applicant_report/ ↩
  5. プレゼンテーション資料の作成手順と評価の考え方。文教大学国際学部「総合型選抜対策講座③ 国際理解学科(課題遂行型出願向け)2025年8月23日」https://www.bunkyo.ac.jp/faculty/kokusai/img/jukensei/koza-2025-05.pdf ↩

二神大輝|埼玉県内の学習塾で取締役・塾長。大学受験と総合型選抜の指導歴10年超。

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