日本体育大学体育学部 総合型選抜・学校推薦型選抜の傾向と対策|評定が要る方式と、要らない方式

こんにちは、ふたがみです。

日体大を受けたい、という相談は毎年あります。そのときほぼ必ず出てくるのが「評定が3.0ないから無理ですよね」という一言です。部活はずっと続けてきた。大会にも出ている。でも通知表の平均は3.0に届いていない。だから年内入試は諦めて一般でいこう、と本人が先に決めてしまっている。

その判断は、方式をひとつ取り違えています。

日本体育大学の総合型選抜には、要項に「全体の学習成績の状況(評定平均値)は問わない」とはっきり書かれた方式があります。しかも1つではありません。実技方式、全学併願基礎学力方式、アスリート方式の3つが、評定を出願要件にしていません。評定3.0以上を求めているのは、学部別選考方式と、学校推薦型選抜のスポーツ推薦のほうです。

この記事では、2027年度の総合型選抜と学校推薦型選抜の学生募集要項を1ページずつ読んだうえで、体育学部の年内入試を方式ごとに整理します。

結論

まず「評定が要るか」で2つに割ってください。

評定3.0以上が要るのは、学部別選考方式(小論文と集団面接)と、スポーツ推薦(小論文と集団面接。全国大会級の競技実績が別に必要)です。どちらも要項の書き方は「学業成績は原則として全体の学習成績の状況(評定平均値)3.0以上であること」で、「原則として」が付いています12。

評定を問わないのは、実技方式(4種目の実技と集団面接)、全学併願基礎学力方式(国語と英語のマークシートと集団面接)、アスリート方式(書類と集団面接。出願前にクラブとの面談が必要)です1。

次に見るのは日程です。9月10日に出願が始まるのが学部別選考方式と実技方式、11月1日が推薦、11月27日が全学併願基礎学力方式です12。9月の2つを逃しても、12月にもう一度受けられます。

そして全部が専願です。公募制の方式(学部別選考方式・実技方式・全学併願基礎学力方式・アスリート方式・スポーツ推薦)は、出願要件そのものに「合格の際は入学を確約できる者」が入っています。公募制ではない指定校推薦と高大連携方式の節にこの文言はありませんが、要項の出願上の注意に「合格し、入学手続を行った者は、本学の他の選抜区分及び他大学の入学者選抜を受験できません。また、入学辞退もできません」と書かれているので、結果は同じです12。合格して入学手続を済ませた時点で、他大学の入試を受けることもできなくなります。

基本情報

この記事の方式名・募集人員・出願要件・日程・検定料は、すべて2027年度(令和9年3月卒業見込みの人が受ける回)の学生募集要項のものです。志願者数と倍率だけは実績値なので、令和8年度(2026年4月入学)の入学試験結果を使います。年度が混ざらないよう、表ごとに年度を書きます。

項目 内容
学部・学科 体育学部 体育学科/健康学科1
キャンパス 東京・世田谷キャンパス(東京都世田谷区深沢7-1-1)1
入学定員(2027年度) 体育学科800名/健康学科195名(学部計995名)1
募集人員(2027年度) 体育学科は総合型550名・推薦200名・一般50名。健康学科は総合型130名・推薦50名・一般15名1
総合型の方式 学部別選考方式/実技方式/全学併願基礎学力方式/アスリート方式(10月・12月・2月)/高大連携方式1
学校推薦型の方式 スポーツ推薦/指定校推薦/指定校推薦(地域教員養成方式)2
評定の条件 学部別選考方式とスポーツ推薦は原則として全体3.0以上。実技方式・全学併願基礎学力方式・アスリート方式は問わない12
専願・併願 全方式が専願。公募制の方式は「合格の際は入学を確約できる者」が出願要件。公募制でない指定校推薦・高大連携方式も、合格して入学手続を行うと他大学の受験も入学辞退もできない12
入学検定料 35,000円(方式ごとに必要)12
倍率(令和8年度・体育学科) 総合型2.82倍/推薦1.03倍3
倍率(令和8年度・健康学科) 総合型2.51倍/推薦1.02倍3

募集人員の読み方に注意してください。要項の表にある550名は、体育学科の総合型選抜全体の数字です。学部別選考方式に550名、実技方式にも550名、という意味ではありません1。方式別の募集人員は大学非公表なので、方式ごとの通りやすさは志願者数と合格者数から見ます。後ろの倍率の節で扱います。

体育学科と健康学科は、どちらを選ぶ場所か

学科名だけでは、自分がどちらに出すべきかが決まりません。中身を先に書きます。

体育学科は、競技と、体育の授業をつくる側に立つための学科です。2年次から「スポーツ科学専攻」と「スポーツ教育専攻」に分かれます。スポーツ科学専攻はアスリートプログラム、スポーツコーチングプログラム、競技サポートプログラムに枝分かれし、選手として続ける人、指導者になる人、トレーナーやアナリストとして支える人が進みます。スポーツ教育専攻は保健体育科教諭と特別支援学校教諭の養成が中心で、中学校・高等学校教諭一種(保健体育)、特別支援学校教諭一種、アスレティックトレーナー受験資格(競技スポーツ領域のみ)がめざせます5。

健康学科は、運動を「健康」の側から扱う学科です。2年次から「ウェルネスライフ専攻」と「ヘルスプロモーション専攻」に分かれます。前者は地域住民の健康づくりと福祉が舞台で社会福祉士の受験資格(ソーシャルサポート領域のみ)、後者は学校が舞台で養護教諭一種免許状(ヘルスプロモーション領域のみ)が取得できます6。

規模も違います。体育学科は在籍者3,367名で男子66%・女子34%、健康学科は在籍者821名で男子41%・女子59%です(いずれも2026年5月現在)56。

「日体大でスポーツを学びたい」だけでは、どちらの学科でも通る志望理由になります。選手やコーチとして競技の側に立ちたいなら体育学科、養護教諭や社会福祉士のように人の健康を支える側に立ちたいなら健康学科です。ここを言い切れるかどうかが、面接でいちばん最初に効きます。

方式ごとの中身

学部別選考方式|小論文60分と集団面接

評定3.0以上が要る方式です。出願要件は4つで、(1) 志望動機が明確で合格の際は入学を確約できること、(2) 全体の学習成績の状況が原則として3.0以上であること、(3) 学科・専攻の特色を熟知し明確な学修意欲があること、(4) 体育・スポーツへの関心が極めて高いこと、です1。

日程と当日の流れはこうなっています1。

項目 内容
出願期間 令和8年9月10日(木)〜9月16日(水)※期間内消印有効
試験日 令和8年10月18日(日)/東京・世田谷キャンパス
試験場入室時間 9:00〜9:40
小論文(資料分析型) 10:00〜11:00(60分)
集団面接(10分目安・原則3名) 12:00〜17:00(予定)
合格発表日 令和8年11月2日(月)
入学手続締切日 令和8年11月13日(金)

面接の終了は17時予定です。受験者ごとに順番が割り振られるので、当日は午後をまるごと空けてください。遠方から来るなら、帰りの交通手段は後ろ倒しで押さえてください。

そしてこの方式の小論文は「資料分析型」です。作文ではありません。令和8年度に体育学部で出たのは、総務省の社会生活基本調査から作った生活時間の表と、保健体育の教科書にある「1日の身体活動量と死亡リスクとの関連」の図を読み、600字以上800字以内で書くものでした。問いは3つで、15年間で運動時間がどう動いたかを具体的な数値を挙げて説明し、運動不足が短期的・長期的に及ぼす影響を複数の観点から述べ、有効な対策を1つ挙げて理由を書く、という構成です7。

大学は「出題の意図」も公開していて、評価軸はデータを読み取って記述できるか、読み取った内容を問題文の言葉と結びつけて論じられるか、そのうえで解決策を発想できるか、の3つです8。

つまり、感想を書く欄はありません。表から数字を拾い、差を計算し、それを言葉にするところが得点源です。過去問と模範解答は大学のサイトで公開されているので、まず1本解いてください9。

実技方式|評定を問わない代わりに、400点を身体で取る

要項の出願要件に「全体の学習成績の状況(評定平均値)は問わない」と書かれています。体育学科も健康学科も同じ扱いです1。

日程は学部別選考方式と同じ日に出願が始まり、試験日が1週間早くなります1。

項目 内容
出願期間 令和8年9月10日(木)〜9月16日(水)※期間内消印有効
試験日 令和8年10月11日(日)/東京・世田谷キャンパス
受付時間 8:00〜(班を編成して順次実施。各班の受付時間は受験票で確認)
合格発表日 令和8年11月2日(月)
入学手続締切日 令和8年11月13日(金)

実技は4種目、各100点の400点満点です1。

種目 実施方法 配点
50m走 50mの距離を走り、タイムを計測 100点
メディシンボール投げ 男子4kg・女子3kgのボールを後ろ投げにて投げ、飛距離を計測 100点
立ち5段跳び 助走なしの状態から片足交互に7回連続で跳躍し、5回目までの距離を計測 100点
3コーンドリル 設置されたコーンを指定された順番に走り、要する時間を計測 100点

立ち5段跳びの説明をもう一度読んでください。跳ぶのは7回、測るのは5回目までです1。5回で止まる練習をしていると、計測対象の5回目の着地で減速します。7回跳び切る前提で組み立ててください。

要項の備考欄には、合否を左右する一文があります。「総合点または種目ごとの上位者を合格対象者とする」1。合計だけで切るのではなく、1種目の上位者も拾う設計です。平均的に仕上げるより、いちばん戦える1種目を確実に上位へ持っていくほうが効きます。

当日の順番も独特です。受付、更衣、面接試験、実技試験、更衣、退構の順で進みます1。実技で息が上がったあとに面接、ではありません。面接が先です。着替えてすぐ話す順番で、一度リハーサルしておいてください。

持ち物と服装も要項に指定があります。服装の指定はなく、全種目で室内シューズを使います。メディシンボール投げだけ手袋の着用が認められ、スパイクや床を傷つける可能性のあるシューズは使えません。種目ごとの履き替えは可です。記載の持ち物以外は原則使用不可で、特別な理由がある場合は出願時にアドミッションセンターへ連絡します1。

そしてゼッケンは自分で作ります。縦15cm、横25cmの白布に黒色油性ペンで受験番号を書き、2枚作ってTシャツ等の胸面と背面に縫い付けます。安全ピン等は不可と明記されています1。当日の朝に気づいても間に合いません。受験票が届いて受験番号が分かった時点で作ってください。

試験当日の体調や怪我で特定の種目を見学することはできますが、全種目の見学は禁止です。追試験などの措置はなく、入学検定料も返還されません1。

全学併願基礎学力方式|12月に国語と英語で受け直せる

こちらも評定を問いません。出願要件は「合格の際は入学を確約できる者」と「全体の学習成績の状況は問わない」の2つだけです1。

項目 内容
出願期間 令和8年11月27日(金)〜12月2日(水)※期間内消印有効
試験日 令和8年12月12日(土)/東京・世田谷キャンパス
試験場入室時間 9:00〜9:40
国語(45分・マークシート) 10:00〜10:45(100点)
英語(45分・マークシート) 10:55〜11:40(100点)
集団面接(10分目安) 12:00〜17:00
合格発表日 令和8年12月25日(金)
入学手続締切日 令和9年1月8日(金)

この方式は全学科・コースで最大10併願できます。検定料は単願35,000円、併願なら数によらず一律50,000円です。複数合格したときは、出願時に決めた希望順位のいちばん高い学科でのみ手続きができます1。

注意が要るのは国語と英語のあいだの10分間です。要項に「第1解答科目と第2解答科目の間の10分間は、トイレ等で一時退室することはできません」と書かれています1。10:45に国語が終わってから11:40に英語が終わるまで、55分間席を離れられません。当日の水分の取り方に直結します。

出願時には事前課題(所定用紙3)を提出します。黒のボールペンで手書きし、これが面接の参考資料になります1。9月の学部別選考方式や実技方式で届かなかった人にとって、ここが同じ学科へのもう一度の入口です。大学は基礎学力方式のサンプル問題(国語・英語・数学)を公開しています9。

アスリート方式|出願より前に、もうひとつ締切がある

評定は問われません。ただし公募制ではありません。要項に「本方式は公募制ではありません。本学学友会と連携し、書類審査、集団面接による選考が行われます」と書かれていて、出願要件の最後に「各クラブとの面談等を経て出願許可を得た者」が入っています1。

対象は運動部42団体、運動部2部13団体、応援部2団体です1。

そして、ここが見落とされます。出願期間の前に、事前相談の締切が別に設定されています1。

10月 12月 2月
事前相談 令和8年9月7日(月)まで 令和8年11月9日(月)まで 令和9年1月7日(木)まで
出願期間 令和8年9月25日〜9月30日 令和8年11月27日〜12月2日 令和9年1月20日〜1月22日
試験日 令和8年10月17日(土) 令和8年12月12日(土) 令和9年2月2日(火)
合格発表日 令和8年11月2日(月) 令和8年12月25日(金) 令和9年2月9日(火)
入学手続締切日 令和8年11月13日(金) 令和9年1月8日(金) 令和9年2月15日(月)

10月期の出願が始まるのは9月25日ですが、事前相談は9月7日で締め切られます。出願期間を見て動き出すと18日遅れます。この方式を考えているなら、夏のうちにクラブへ連絡してください。

選考は書類審査と集団面接(10分目安・原則5名)で、筆記も実技もありません1。

高大連携方式|併設高校の在校生向け

日本体育大学荏原、日本体育大学桜華、日本体育大学柏、浜松日体の4校の在籍生が対象で、公募制ではありません1。この4校の在校生以外は、検討の対象から外して構いません。

スポーツ推薦|評定3.0と、全国大会級の実績

学校推薦型選抜のスポーツ推薦は、評定3.0以上に加えて競技成績の条件があります。令和6年4月1日以降の成績で、次のいずれかです2。

  • 世界選手権等の国際大会の代表選手に選出された実績をもつこと
  • 全国高等学校総合体育大会、国民スポーツ(体育)大会、全日本選手権大会等の規模以上の日本の大会に選手として出場したこと(定時制および通信制等の全国大会の成績は含まない)
  • 中央競技団体等が認定する強化指定選手であること
項目 内容
出願期間 令和8年11月1日(日)〜11月4日(水)※期間内消印有効
試験日 令和8年11月14日(土)
小論文 10:00〜11:00(60分)
集団面接(10分目安・原則3名) 12:00〜16:00(予定)
合格発表日 令和8年12月1日(火)
入学手続締切日 令和8年12月11日(金)

出願期間は4日間しかありません。しかも学校長が作成して厳封する推薦書が要ります2。11月に入ってから依頼したのでは間に合いません。

試験場は3か所あります。東京・世田谷キャンパスのほか、名古屋は名城大学天白キャンパス、大阪は大和大学。出願時に1か所を選び、決定は受験票に記載されます2。西日本から受ける人は、前泊が要るかどうかがここで変わります。

推薦書の書き方にも指定があります。「最も優れた成績」欄には、推薦基準に該当する最も優れた競技成績を1つだけ記入し、複数は書けません。証明資料(新聞・雑誌の切抜き、表彰状の写し等)を貼付し、団体競技は個人が特定できるスコアシート等の個人名にマーカーを付けて併せて貼ります2。

資料に自分の出場が記されていない場合は、大会主催団体に出場記録の証明書類が出ないか問い合わせ、出ない場合は高等学校長や監督が作成した出場証明(書式自由)を貼る、という手順まで要項に書かれています2。新聞の切抜きが残っていないという理由で諦める必要はありません。ただし問い合わせには日数がかかるので、10月中に動いてください。

もうひとつ、競技を続けている人に効く仕組みが受験日変更申請です。試験日が全国大会・国際大会(それに繋がる大会も可)または日本代表合宿等と重なった場合、予備日の令和8年11月16日(月)での受験が認められることがあります。申請は出願時に行い、出願期間後の申請は受け付けません。出場が確定していない場合でも、先に申請しておくと要項に書かれています2。

指定校推薦

日程はスポーツ推薦と同じで、選考は書類審査と集団面接15分目安です。サテライト会場はオンライン面接です2。枠があるかどうかは在籍校の進路指導室でしか分かりません。

倍率は方式でまったく違います

ここからは令和8年度(2026年4月入学)の実績です。倍率は「志願者数÷最終合格者数」で統一しています。大学が同じ表に載せている「競争率」は受験者数を分子にした値なので、出願を決める時点の判断には志願者数のほうを使います。

体育学科(令和8年度)

選抜区分 志願者数 最終合格者数 入学者数 倍率(志願÷合格)
総合型 学部別選考方式I期 487 171 152 2.85倍
総合型 学部別選考方式II期 151 9 9 16.78倍
総合型 実技方式 147 25 24 5.88倍
総合型 トップアスリート方式10月 105 104 104 1.01倍
総合型 トップアスリート方式2月 10 10 10 1.00倍
総合型 合計 900 319 299 2.82倍
推薦 スポーツ推薦 374 357 356 1.05倍
推薦 指定校推薦 143 143 142 1.00倍
推薦 指定校推薦(地域教員養成方式) 29 29 29 1.00倍
推薦 合計 546 529 527 1.03倍

いちばん大きいのは総合型と推薦の差です。総合型は900人が出して319人が受かる2.82倍、推薦は546人が出して529人が受かる1.03倍。推薦は、出願の条件を満たせた時点でほぼ決まっています。評定3.0と全国大会級の実績という入口が狭いぶん、通過後の競争が起きていません。

一方の総合型は方式で開きます。学部別選考方式I期が2.85倍に対し、実技方式は5.88倍。評定が要らない方式のほうが倍率は高いので、「評定不問だから楽」ではありません。入口の条件がないぶん出願が集中し、当日の数字で切られます。

健康学科(令和8年度)

選抜区分 志願者数 最終合格者数 入学者数 倍率(志願÷合格)
総合型 学部別選考方式I期 287 167 95 1.72倍
総合型 学部別選考方式II期 110 6 6 18.33倍
総合型 実技方式 76 14 2 5.43倍
総合型 トップアスリート方式10月 3 3 3 1.00倍
総合型 合計 476 190 106 2.51倍
推薦 スポーツ推薦 32 30 30 1.07倍
推薦 指定校推薦 62 62 62 1.00倍
推薦 合計 94 92 92 1.02倍

健康学科の学部別選考方式I期は1.72倍で、体育学科の2.85倍よりはっきり低い数字でした。志願者287人に対して167人が合格しています。養護教諭や社会福祉士を視野に入れているなら、覚えておく価値がある差です。

合格者数と入学者数が一致しない行があるのは、体育学部が学科と方式をまたいだ併願を認めているからです。健康学科の実技方式は合格14人に対して入学2人でした。大学の注記にも「複数学科に出願し、両方に合格した者を含む」とあります3。

方式の名前は、年度で変わっています

令和7年度(2025年4月入学)の体育学科の総合型は「小論文方式」「プレゼンテーション方式」「実技方式」「トップアスリート方式」という並びで、総合型全体は754人が出願して365人が合格、2.07倍でした4。令和8年度は「学部別選考方式I期・II期」に組み替わって2.82倍3。そして2027年度の要項には、I期・II期という区分そのものがありません。代わりに全学併願基礎学力方式が入っています1。

過去の「小論文方式の倍率」を今年の判断材料にしても、比べる相手がいません。見るべきは、総合型全体の倍率が2年で2.07倍から2.82倍へ動いたことのほうです。

出願の組み方|体育学科と健康学科は同じ日に併願できます

体育学部だけの仕組みがあります。学部別選考方式では、体育学科と健康学科を同一日に併願できます。併願すると検定料が70,000円から50,000円へ、20,000円割引になります1。

ただし両方に合格した場合、手続きができるのはWeb出願時に登録した第1希望学科だけで、第2希望学科の合格通知書は発行されません1。出願の時点で順番を決めておく必要があります。

実技方式は学部内の併願ができません。体育学科か健康学科のどちらか一方です1。

そのうえで、出願開始日が同じ9月10日の2方式を組み合わせられます。要項の可否表です1。

パターン1 パターン2 パターン3 パターン4
学部別選考方式 体育学科+健康学科(併願割引) 健康学科 体育学科 出願なし
実技方式 体育学科または健康学科 体育学科 健康学科 体育学科+健康学科
出願の可否 ○ ○ ○ ×

学部別選考方式で体育学科、実技方式で健康学科、という出し方も認められています。試験日は10月18日と10月11日で別なので、小論文で1回、実技で1回、合計2回の当日をつくれます。

ただし検定料は方式ごとに35,000円かかり、出願書類も方式ごとに一式そろえる必要があります1。学部別選考方式と実技方式のあいだに併願割引はありません。調査書も方式の数だけ要るので、学校への依頼枚数を間違えないでください。

保護者の方へ

判断に関わる話を2つに絞って書きます。

1つめは専願の重さです。要項には「本学総合型選抜に合格し、入学手続を行った者は、本学の他の選抜区分及び他大学の入学者選抜を受験できません。また、入学辞退もできません」と書かれています1。学校推薦型選抜も同じで、合格して入学手続を行った者は入学辞退ができません2。10月18日に受けて11月2日に合格した時点で、その先の受験は終わります。併願校と比べてから決める、という進め方はできません。

2つめはお金が動く時期です。体育学部の初年度は、入学金300,000円、授業料800,000円、施設整備費250,000円、教育充実費200,000円に、健康管理費・学友会費・保護者会費・同窓会入会金を加えて一括納入なら1,608,000円です10。

授業料・施設整備費・教育充実費は半額を後学期に分納できます。その場合、入学手続時に納めるのは983,000円、後学期が625,000円です10。

問題はこの983,000円をいつ払うかです。入学手続締切日は、学部別選考方式と実技方式が令和8年11月13日(金)、スポーツ推薦と指定校推薦が令和8年12月11日(金)、全学併願基礎学力方式とアスリート方式12月期が令和9年1月8日(金)。この日までに金融機関窓口で振り込み、未納だと入学辞退の扱いになります12。

年内入試で早く決まるということは、学費の納入も早く来るということです。10月に受ける方式なら、11月中旬に100万円弱が動く前提で家計の段取りを組んでおいてください。

もう1点、当日のことです。受験者以外は会場内に入れず、付添人控室もありません1。世田谷キャンパスまで送っていく場合、保護者の方は外で待つことになります。

対策の順序

第1段階:評定を確認して、出せる方式を確定する(高3の1学期まで)

まず成績表を出して、全体の学習成績の状況を見てください。3.0以上あるなら学部別選考方式が使えます。競技実績が全国大会級なら、スポーツ推薦も視野に入ります。

3.0に届かない場合でも、実技方式・全学併願基礎学力方式・アスリート方式の3つは出願できます1。ここで年内入試そのものを諦める必要はありません。そのうえで学科を決めます。

到達基準: 出願する方式名と学科名を、紙に書いて言えること。

第2段階:調査書と推薦書を学校に依頼する(高3の8月から10月)

調査書は「出願締切日から3か月以内に発行されたもの」という指定があります12。9月16日締切の方式なら、6月17日より前に発行された調査書は使えません。併願する場合は方式の数だけ必要なので、3通要るなら3通と伝えてください1。

スポーツ推薦を使うなら、学校長が作成して厳封する推薦書も要ります。証明資料の準備に時間がかかるので、主催団体への問い合わせが要りそうな人は10月上旬には動き出してください2。

到達基準: 担任の先生に、必要な書類の種類と枚数と締切日を伝え終えていること。

第3段階:エントリーシートを書く(高3の夏休み)

学部別選考方式と実技方式ではエントリーシート(所定用紙)を提出し、これが面接の参考資料になります。黒のボールペンで記入し、消せるボールペンは使えません1。

内容は志望動機が中心です。体育学科と健康学科は2年次から進む専攻が違います。学科名を入れ替えても成立する文章になっていないか、書き上がったら読み返してください。組み立て方は志望理由書の書き方にまとめました。

到達基準: 学科名を入れ替えたら成立しない志望理由になっていること。清書が終わっていること。

第4段階:方式ごとの当日対策を仕上げる(高3の9月)

学部別選考方式なら、資料分析型の小論文を60分で書き切る練習です。大学が公開している過去問と出題の意図を使ってください9。表から数字を拾って差を言葉にする作業に慣れるのが先で、文章のうまさは後です。600字以上800字以内という下限つきの字数なので、上限近くまで埋める前提で構成を立ててください。

実技方式なら、4種目のうち自分が上位を取れる1種目を決めてください。「総合点または種目ごとの上位者を合格対象者とする」設計なので、どれか1つを突き抜けさせる価値があります1。全学併願基礎学力方式なら、国語と英語の45分です。大学がサンプル問題を公開しています9。

到達基準: 小論文なら60分で800字近くまで書き切れること。実技なら本番と同じ条件で4種目を通せること。

第5段階:出願と当日の持ち物をそろえる(高3の9月)

出願はWeb出願を済ませてから、宛名シートを貼った角2封筒で速達・特定記録郵便で郵送します。窓口出願はありません1。特定記録郵便物等受領証は保管してください。

実技方式で受けるなら、受験番号が分かった時点でゼッケンを作ります。室内シューズも忘れずに。筆記のある方式では、マークは黒鉛筆(HB)とプラスチック製消しゴムを使い、シャープペンシルは使わないよう指定されています1。

遅刻は試験開始後20分までなら受験が認められます。交通機関の遅延に巻き込まれたときは、すぐにアドミッションセンターへ連絡し、遅延証明書を受け取ってください1。

到達基準: 出願書類が方式の数だけ封筒に入り、締切の3日前に投函できていること。

同じ分野で読むなら

体育・スポーツ系の年内入試は、「評定を見るか」「競技実績を見るか」「当日に身体を測るか」の組み合わせが大学ごとに違います。日体大の条件と合わなかった人が次に見るのはこのあたりです。

年内入試の全体像は総合型選抜のすべて、面接で見られることは総合型選抜の面接対策にまとめてあります。日体大は全方式で集団面接なので、後者は先に読んでおいてください。


この記事の方式・募集人員・出願要件・日程・学費は2027年度の学生募集要項、志願者数と倍率は令和8年度の入学試験結果にもとづいています。最終更新: 2026年9月

出典

  1. 方式一覧・募集人員・出願要件・選抜日程・選考方法と配点・実技試験の種目と持ち物とゼッケンの規格・併願の可否・入学検定料・出願書類・受験上の注意事項・入学手続締切日。日本体育大学「2027年度 総合型選抜 学生募集要項」p.4、p.20〜26、p.30〜33、p.37〜38、p.41〜45、p.47〜48、p.57、p.60 https://www.nittai.ac.jp/albums/abm.php?d=301&f=abm00011248.pdf ↩
  2. スポーツ推薦・指定校推薦の推薦基準・選抜日程・選考方法・試験場・推薦書の記載方法・受験日変更申請・出願上の注意・入学手続。日本体育大学「2027年度 学校推薦型選抜 学生募集要項」p.20〜26、p.27、p.36 https://www.nittai.ac.jp/albums/abm.php?d=301&f=abm00011256.pdf ↩
  3. 令和8年度の志願者数・受験者数・最終合格者数・入学者数(2026年4月1日現在)。日本体育大学「令和8年度 日本体育大学 体育学部 入学試験結果」 https://www.nittai.ac.jp/albums/abm.php?d=305&f=abm00010813.pdf ↩
  4. 令和7年度の志願者数・最終合格者数・入学者数。日本体育大学「令和7年度 日本体育大学 体育学部 入学試験結果」 https://www.nittai.ac.jp/albums/abm.php?d=305&f=abm00008520.pdf ↩
  5. 体育学科の専攻構成・入学定員・在籍者数・男女比・取得がめざせる免許資格。日本体育大学「体育学科」 https://www.nittai.ac.jp/gakubu/univ/taiiku.html ↩
  6. 健康学科の専攻構成・入学定員・在籍者数・男女比・取得がめざせる免許資格。日本体育大学「健康学科」 https://www.nittai.ac.jp/gakubu/univ/kenko.html ↩
  7. 令和8年度 総合型選抜学部別選考方式I期 小論文(資料分析型)【体育学部】の出題内容・字数・資料。 https://www.nittai.ac.jp/albums/abm.php?d=306&f=abm00010393.pdf ↩
  8. 同問題の出題の意図。日本体育大学「【出題の意図・模範解答】総合型選抜学部別選考方式I期 体育学部」 https://www.nittai.ac.jp/albums/abm.php?d=306&f=abm00010402.pdf ↩
  9. 過去問題・出題の意図・模範解答・基礎学力方式サンプル問題の一覧。日本体育大学「過去問題・出題の意図・サンプル問題」 https://www.nittai.ac.jp/exam/com/kakomon.html ↩
  10. 体育学部の学費(入学金・授業料・施設整備費・教育充実費ほか、分納および一括納入の金額)。日本体育大学「2027年度 学校推薦型選抜 学生募集要項」p.37 学費案内 https://www.nittai.ac.jp/albums/abm.php?d=301&f=abm00011256.pdf ↩

二神大輝|埼玉県内の学習塾で取締役・塾長。大学受験と総合型選抜の指導歴10年超。

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