不登校の「出席扱い」の条件|自宅学習(ICT)やフリースクールが認められる要件を、文部科学省の通知で1つずつ読む

こんにちは、ふたがみです。

埼玉県内の学習塾で取締役・塾長をしていて、大学入試の英語と総合型選抜を10年指導してきました。塾には、学校に通えていない時期がある生徒や、その保護者からの相談も届きます。

「フリースクールに通えば出席になりますか」「家でオンライン教材をやっていれば出席扱いになると聞きました」。こうした質問への答えは、ネット上ではばらばらです。もとになっているのは文部科学省の通知で、そこには要件がはっきり書かれています。ただ、通知は学校や教育委員会に向けた文書なので、保護者が読むと「結局、家では何をすればいいのか」が見えにくい形をしています。

このページでは、通知の要件を1つずつ取り出し、「通知の言い回し(短く)」「平易な言い換え」「家庭でやること」の順に並べました。学校に戻るかどうかを決めるための記事ではありません。どちらの道を選んでも、子どもの学びを記録に残し、学校と共有しておくための手引きとして使ってください。子どもの心や体の状態については、ここでは扱いません。そこは学校のスクールカウンセラーや医療機関など、専門の相談先を頼ってください。

学校外の施設や自宅で学んだ日を「出席扱い」にするかどうかは、文部科学省の通知が示す要件をもとに、在籍している学校の校長が判断します。要件を1つずつ読むと、保護者が学校と決めておくことは「どんな学習を、どう記録して、誰と共有するか」の3つにまとまります。

結論|出席扱いの道は「施設」と「自宅」の2つ、決めるのは校長

小学校・中学校(義務教育段階)で出席扱いの対象になるのは、「学校外の施設で相談・指導を受けた日」と「自宅でICT等を使って学習した日」の2つで、どちらも在籍校の校長が判断します。123

場面 根拠になる文書 要件の数
教育支援センターやフリースクールなど、学校外の施設に通う 令和元年10月25日の通知の別記1 4つ
自宅でパソコン・オンライン教材や、郵送のプリントなどで学ぶ 同じ通知の別記2 7つ
欠席中の学習の成果を成績に反映する 令和6年8月29日の省令・告示・通知 3つ
高校生の場合 平成21年の通知と、令和6年4月施行の改正 小中とは仕組みが違う

3段目の成績評価は、出席扱いとは別の文書で要件が決まっています。令和6年の通知も、出欠の扱いは引き続き令和元年の通知に従うとしています4。出席扱いと成績は、分けて考えると読み違えません。

もう1つ、どの要件にも共通して入っているのが「保護者と学校の連携」です。出席扱いは、子どもが一人で条件を満たすものではなく、家庭と学校が一緒に組み立てるものだと分かります。

やること: 子どもが今学んでいる場所(家、教育支援センター、フリースクールなど)を紙に書き、上の表のどの段に当たるかに丸をつけます。高校生の保護者は、6の節から読んでも構いません。

1 「出席扱い」とは何か

出席扱いとは、学校の公式な記録である「指導要録」で、学校外で学んだ日を出席日数に数えることです。

指導要録は、学校が子ども一人ひとりについて作る、在籍や成績の記録です。施設に通った日を出席扱いにしたときは、「出席日数の内数として出席扱いとした日数」と、通った施設の名前を書くと定められています2。文部科学省の資料に載っている記載例では、出席扱い30日のうち教育支援センター20日、自宅学習10日という形で書かれています8。

もう1つ押さえておきたいのは、通知の書き方が「校長は指導要録上出席扱いとすることができる」になっている点です2。「しなければならない」ではなく「できる」なので、要件を満たしているかどうかを、学校ごとに校長が判断します。自宅学習についての問答では、文部科学省は判断の一律の基準を示しておらず、「学校や教育委員会において一定の基準を作成しておく」ことが必要だとしています3。

通知の土台にある考え方も、短く引いておきます1。

通知の言い回し 平易な言い換え
「『学校に登校する』という結果のみを目標にするのではなく」 学校に来ることだけをゴールにしない
「社会的に自立することを目指す」 自分で進路を選び、社会で暮らしていける力を目指す
「休養や自分を見つめ直す等の積極的な意味」 休んでいる時期にも意味がある場合がある

出席扱いは、この考え方の上に置かれた仕組みです。登校を急がせるための道具でも、登校しなくてよいと決めるための道具でもありません。

やること: 学校に「出席扱いになりますか」と聞く前に、子どもが1週間にしていることを、曜日ごとに1行ずつノートに書き出します。何をしているかが見えると、どの要件の話になるかが決まります。

2 学校外の施設に通うときの4つの要件(別記1)

教育支援センターやフリースクールに通う場合の要件は4つで、山場は「公的機関が原則、民間施設は条件つき」という2つめです。2

4つの要件のほかに、施設での相談・指導が「社会的な自立を目指すもの」であることと、本人が今、登校を望んでいるかどうかにかかわらず、自分から登校を望んだときに学校に戻りやすいよう、個別指導などの支援をしていると評価できることも、出席扱いの条件として書かれています2。登校を急がせる条件ではなく、施設の支援の中身を見るための条件です。

通知の言い回し 平易な言い換え 家庭でやること
(1)「十分な連携・協力関係が保たれていること」 家庭と学校が、子どもの様子を伝え合える関係にある 連絡の相手と回数(例: 月1回の面談)を決める
(2)「教育支援センター等の公的機関」 原則は、教育委員会などが置く公的な施設 自治体の教育支援センターの場所と通い方を調べる
(2)「民間の相談・指導施設も考慮されてよい」 公的機関で指導を受ける機会がない・通うのが難しいときで、本人や保護者の希望があり適切と判断されれば、民間施設も対象になりうる 公的機関を使わない事情を、学校に話せるようにしておく
(2)「校長が,設置者である教育委員会と十分な連携をとって判断」 民間施設がふさわしいかは、校長が教育委員会と相談して決める 施設のパンフレット・料金表・活動内容を学校に渡す
(3)「当該施設に通所又は入所して相談・指導を受ける」 施設に実際に通う(または入所する)ことが前提 通った日と時間を記録する
(4)「教育課程に照らし適切と判断される場合」 施設での学習が学校で学ぶ内容に合っていれば、評価して記録に残すことに意味がある 施設で使っている教材と学習内容を書き出す

右の列の「家庭でやること」を、上から順に1つずつ済ませていけば、学校に相談するときの材料がそろいます。

要件(2)の読み方

2つめの要件は、民間施設を使う条件として「公的機関での指導の機会が得られない」場合や、公的機関に通うことが難しい場合を挙げ、本人や保護者の希望も踏まえて考えるという書き方です2。フリースクールを選ぶこと自体が否定されているわけではありません。ただ、学校から「なぜ公的機関ではないのか」を聞かれることはありえます。「近くに教育支援センターがない」「通ってみたが合わなかった」など、事実を短く話せるようにしておきます。

要件(4)の読み方

4つめは、施設での学習を指導要録に評価として記入したり、その内容を「児童生徒や保護者,当該施設に積極的に伝えたり」することに意味がある、という要件です2。出席日数だけでなく、学んだ中身を学校が受け止めるための入口になります。

文部科学省の資料には、民間施設での活動を出席扱いにした例として、施設から学校へ出す活動報告に「施設の利用日」、活動内容、本人の振り返り、スタッフのコメントを書いた例が載っています8。家庭が施設を選ぶときも、学校へのこうした報告に協力してもらえるかを聞いておくと、あとで困りません。

やること: 施設に「学校への活動報告(利用日・活動内容・本人の振り返り・スタッフのコメント)を出してもらえますか」と聞き、答えをメモします。教育支援センターを使っていない場合は、その事情を2行で書いておきます。

3 フリースクールを選ぶ目安「民間施設についてのガイドライン」

民間施設が出席扱いの対象としてふさわしいかの目安として、文部科学省は「民間施設についてのガイドライン(試案)」を示しています。19

令和元年の通知の別記1は、民間施設がふさわしいかを校長が判断するにあたって、学校と教育委員会がこのガイドラインを参考に「判断を行う際の何らかの目安」を設けておくことが望ましいとしています2。令和元年の通知に付いているガイドラインは、別添3としてPDFで公開されています9。

同じ名前のガイドラインは、高校生向けの平成21年の通知にも付いていて、こちらはウェブページで読めます。その冒頭では、ガイドラインは「個々の民間施設についてその適否を評価するという趣旨の」ものではなく、留意すべき点を目安として示したものだと断っています6。施設の合格・不合格をつける表ではない、ということです。高校向けの版では、次の7つの項目が立てられています6。

ガイドラインの項目 保護者が施設に聞くこと
実施主体について 誰が運営しているか
事業運営の在り方と透明性の確保について 「入会金、授業料(月額・年額等)」が示されているか
相談・指導の在り方について どんな活動や学習をしているか
相談・指導スタッフについて 誰が子どもに関わるか
施設、設備について 安心して過ごせる場所か(見学で確かめる)
学校、教育委員会と施設との関係について 学校への報告や連絡に協力してもらえるか
家庭との関係について 「施設での指導経過を保護者に定期的に」伝えてもらえるか

文部科学省の資料は、教育委員会などがこのガイドラインなどを参考に、施設から学校へ定期的に報告する方法の目安などを、前もって整理して示しておくことが望ましいとしています8。また文部科学省は、地域の教育支援センターや相談機関、保護者の会、フリースクールなどの情報を整理して保護者に届けるよう、教育委員会などに依頼しています11。

やること: 気になる施設に見学を申し込み、上の表の右の列を紙に写して持っていき、答えを書きこみます。お住まいの市区町村の教育委員会のホームページで「不登校」と検索し、施設の一覧があるかを見ます。

4 自宅でICT等を使って学ぶときの7つの要件(別記2)

自宅学習の要件は7つで、とくに「訪問などによる対面指導」と「計画的な学習プログラム」の2つは、家庭だけで用意するものではなく、学校と一緒に組み立てる部分です。3

この仕組みは「義務教育段階における不登校児童生徒」が対象です。本人が今、登校を望んでいるかどうかにかかわらず、自分から登校を望んだときに学校に戻りやすくなるような学習であることと、自立を助けるうえで有効・適切と判断されることが、7つの要件と並んで書かれています3。

通知の言い回し 平易な言い換え 家庭でやること
(1)「十分な連携・協力関係が保たれていること」 家庭と学校が連携している 連絡の窓口と回数を決める
(2)「郵送,FAXなどを活用して提供される」 パソコンやオンライン教材だけでなく、郵送のプリントなども含む 使っている教材の名前と形(オンライン・紙)を書き出す
(3)「訪問等による対面指導が適切に行われる」 誰かが「定期的かつ継続的に」子どもと会って支える 誰が・どのくらいの間隔で会うかを学校と決める
(4)「学習の理解の程度を踏まえた」計画的な学習プログラム 子どもの理解に合わせた計画がある 月ごとの学習計画を1枚にまとめる
(5)「その状況を十分に把握すること」 校長が、報告や連絡会で様子をつかんでいる 記録を決まった間隔で学校に渡す
(6)「相談・指導を受けられないような場合」 基本は、学校外の施設で相談・指導を受けられないときの仕組み 施設を使っていない事情を話せるようにしておく
(7)「教育課程に照らし適切と判断される場合」 成果を評価に反映するときは、学習内容が学校で学ぶ内容に合っている 教科書の単元と教材の範囲を見比べる

7つの要件は、どれも家庭と学校が記録を共有していることが前提になっています。

通知に付いている問答から分かること

別記2には、学校向けの問答(Q1〜Q8)が付いています3。保護者に関わるところを抜き出します。

  • 何が「ICT等」に当たるか(Q1): 民間のICT教材、教育支援センターが作った教材、郵送のプリントや通信教育、在籍校の授業の配信などが例に挙がっています。
  • 対面指導は誰がするか(Q4): 在籍校の教員、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、教育支援センターの職員、教育委員会などの研修を受けたボランティアなどです。挙がっている例は、どれも家庭の外の人です。
  • 計画的な学習プログラムとは(Q5): 「学年や個々の学習の理解の程度に応じたもの」で、月や学期の単位の計画が望ましいとされ、民間の既存のプログラムを使うこともできます。
  • 出席扱いにしなかった例(Q7): 「家庭の協力が得られないことから」対面指導で様子を確かめられなかった例と、無料のインターネット学習で「学習のねらいや内容が明確でなかった」例が挙がっています。

裏返すと、家庭でできることは2つです。対面で会う機会を学校と決めておくことと、教材で何を学んでいるかを学校に説明できるようにしておくことです。

何日を出席扱いにするか

自宅学習の何日分を出席扱いにするかは、「対面指導の日数や学習活動の時間などを基準とした規程等」を学校や教育委員会が作って判断できるとされています3。「1日何時間やれば1日分」という全国共通の決まりがあるわけではありません。また、ICTを使うことについて学校は「保護者にも十分な説明を行う」こととされ、使っている様子をつかむために保護者の協力を求めるとも書かれています3。

通知には、出席扱いにすることで、不登校が「必要な程度を超えて長期にわたること」を助長しないよう学校に注意を求める一文もあります3。これは学校が子どもと関わり続けることを求める注意で、家庭を責めるための文ではありません。

やること: 1週間分の学習記録の表(日付・教材名・やった範囲・時間・本人のひとこと)を作り、学校との相談に持っていきます。対面で会う人と間隔を、その場で一緒に決めます。

5 成績への反映は別の仕組み(令和6年8月の改正)

令和6年8月29日から、不登校の子が欠席中に行った学習の成果を成績評価に反映できることが、法令で定められました。45

文部科学省は、学校教育法施行規則を改正し(令和6年文部科学省令第24号)、要件を告示(令和6年文部科学省告示第127号)で定めました。施行は公布と同じ日です4。通知は、この改正を「令和元年通知の内容を法令上明確化するもの」と説明しています4。対象は小学校、中学校、義務教育学校、中等教育学校の前期課程、特別支援学校の小学部・中学部で、高校は含まれていません4。

通知の言い回し 平易な言い換え 家庭でやること
第1号「学習の計画・内容が不登校児童生徒の在籍する学校の」教育課程に照らし適切か確認 学習の中身が、学校で学ぶ内容に合っているかを学校が確かめる 教材と範囲を学校に伝える
第2号「学校と保護者等の間に十分な連携協力体制が保たれる」 学校と家庭(施設の職員も含む)が協力して、学習の様子を続けてつかむ 学習記録を定期的に渡す
第3号「不登校児童生徒本人と直接関わりを継続すること」 学校が、訪問やオンラインで本人とのつながりを保つ 本人が先生と話せる方法(対面・オンライン)を一緒に決める

ここでいう「保護者等」には、「保護者、教育支援センター等の公的機関や民間団体等の職員」が含まれます4。施設に通っている場合は、施設のスタッフも学校とつながる役を担えるということです。

通知の留意事項からは、次のことも読み取れます4。

  • すべての教科・観点で評定をつけることが求められているわけではなく、「指導要録の所見欄にその学習状況を文章記述する」形もある
  • 学習状況をつかむ頻度は各学校が決めるが、少なくとも「学校における成績評価の通知の頻度(例えば学期ごと)」は確認する。ただし、子どもとの関わりが学期に1回でよいという意味ではないと断っている
  • 複数の施設や自宅で学んでいるときは、「自宅も含めそれぞれの学校外の機関等における学習状況等を確認する」
  • 教室には行けなくても、校内教育支援センターなどで先生から相談・指導を受けている場合は、「学校に登校しているものとして成績評価を行うことが可能」
  • 出欠の扱いは、引き続き令和元年の通知による

やること: 学期が終わる2週間前に、その学期の学習記録を1枚にまとめて学校に渡す日をカレンダーに入れます。

6 高校生の場合は仕組みが違う

高校では、学校外の施設に通った日を出席扱いにする仕組みはありますが、出席扱いと「単位の修得」は別の話になります。67

施設に通う場合(平成21年の通知)

高校の不登校生徒が学校外の施設で相談・指導を受けている場合、指導要録上の出欠は「別紙1により義務教育諸学校と同様に取り扱う」とされています6。保護者と学校の連携、公的機関が原則で民間施設は条件つき、民間施設は校長が教育委員会と連携して判断、施設に通うことが前提、という流れは小中と同じです6。

ただし、この出席扱いは「科目の履修の認定に当たって考慮される授業への出席とは異なる」と書かれています6。履修の認定は「在籍校における履修要件に照らして適切に行う」こととされています6。つまり、出席扱いになっても、それだけで単位がそろうわけではありません。この通知には、自宅でのICT学習を出席扱いにする定めは見当たりませんでした。

自宅で学ぶ場合(令和6年4月施行の改正)

令和5年12月28日に公布された学校教育法施行規則の改正で、全日制・定時制の高校について、不登校の生徒などに授業に代えて通信教育を行える規定(第88条の4)などが新しく置かれ、令和6年4月1日から施行されています。令和6年2月13日の通知は、その内容と留意点を学校に説明したものです7。主な点は次のとおりです7。

通知の言い回し 平易な言い換え
「学校生活への適応が困難であるため」 対象は、不登校で相当の期間欠席している生徒など
「対面での面接指導を行うことが必要」 通信教育でも、対面で会う指導が入る
「36単位まで修得することができること」 自宅などで受ける遠隔授業で、36単位まで修得できる
「合計で36単位までとすること」 遠隔授業・通信教育などの合計は36単位まで
「各学校長の判断により出席扱いとすることができる」 通信教育で学んだ分の出欠は、校長の判断で出席扱いにできる
「義務付けるものではなく」 実施するかどうかは学校ごとに違う

なお、5の節の令和6年8月の成績評価の改正は、高校は対象外です。高校については「別途法令上の措置がなされている」とされ、この第88条の4が挙げられています4。

やること: 担任の先生に、次の3つを紙に書いて聞きます。「今の欠席で進級に関わる科目はどれか」「この学校では第88条の4の通信教育や自宅からの遠隔授業を行っているか」「施設に通った日を出席扱いにするときの目安はあるか」。

7 学校に相談するときの手順

相談の目的は「出席扱いになるかどうか」の答えをその場でもらうことではなく、「どんな学習を、どう記録して、誰と共有するか」を学校と一緒に決めることです。

出席扱いの判断は校長がしますし、自宅学習については全国一律の基準も示されていません3。だからこそ、判断の材料になる学習と記録の形を先に決めておくほうが、家庭にとっても学校にとっても進めやすくなります。

相談の手順

  1. 相談の相手を決めます。最初の窓口は担任の先生です。判断するのは校長なので、「校長先生や、関わる先生方にも共有していただけますか」と一言お願いします。
  2. 持っていくものをそろえます。下の表の4つです。
  3. 今の学びをそのまま伝えます。「出席扱いにしてください」から入るのではなく、1週間の学習記録を見せながら「今こういう学び方をしています」と伝えます。
  4. 学校の目安を聞きます。「学校や教育委員会で、出席扱いの判断の目安はありますか」と聞きます。
  5. 3つのことを決めます。どんな学習をするか(教材と範囲)、どう記録するか(記録表の形)、誰がいつ共有するか(渡す相手と間隔、対面で会う人と間隔)です。
  6. 決めたことを1枚のメモにします。日付を入れて、家庭と学校で同じものを持ちます。
  7. 見直す日を決めます。最初は1か月後、そのあとは学期ごとに、記録を見ながら話します。

持っていくもの

持っていくもの なぜ要るか
1週間分の学習記録(日付・教材名・範囲・時間・本人のひとこと) 学習の中身を、学校が教育課程と見比べられるように
使っている教材の名前と内容が分かるもの(画面の写真、目次など) 「学習のねらいや内容」を説明できるように
通っている施設のパンフレット・料金表・活動報告の見本 校長が民間施設について判断する材料に
通知の名前と日付を書いたメモ 「令和元年10月25日の通知の別記1・別記2」と言えば、話がずれにくい

全部そろっていなくても相談はできます。そろっているものから持っていきます。

その場で聞くこと

  • 出席扱いの判断の目安は、学校や教育委員会にあるか
  • 記録はどんな形で、どのくらいの間隔で渡せばよいか
  • 対面で会う機会(訪問・面談・オンライン)は、誰が、どのくらいの間隔で持てるか
  • 学習の成果を成績(通知表)に反映してもらえる可能性はあるか。その場合、何を出せばよいか
  • 出席扱いにした日数は、どのように家庭に伝えてもらえるか

学校との話し合いは、1回で決まらなくて構いません。決まったところまでをメモにして、次の見直しの日に続きを話します。

やること: 学習記録の表を1週間つけたら、担任の先生に「学習の様子を共有したいので、15分ほど時間をいただけますか」と連絡し、相談の日を決めます。

8 出席扱いになっても、ならなくても、進路は選べる

出席扱いは、子どもの学びを学校の記録に残すための仕組みの1つです。出席扱いになったかどうかだけで、その先の道が1本に決まるわけではありません。

令和元年の通知は、中学校を卒業したあとのことにも触れています。高校の入学者選抜では「高等学校で学ぶ意欲や能力を有する不登校生徒」を適切に評価することが望ましいとし、中学校卒業程度認定試験の情報を生徒や保護者に届けること、不登校などで十分に学べないまま中学校を卒業し、学び直しを望む人を夜間中学で受け入れることにも言及しています1。

学校に戻る道にも、学校の外で学ぶ道にも、その先の高校や大学への進み方があります。出席扱いの相談のために作った学習記録は、どの道を選んでも、子どもが何を学んできたかを示す材料として手元に残ります。

やること: 学習記録の表を、出席扱いの結果が出たあとも同じ形で続けます。進路を考えはじめたら、次に紹介する記事で選択肢を一覧にして、子どもと一緒に眺めてみてください。

次に読むなら

困ったときは、夜間や休日でも、文部科学省の「24時間子供SOSダイヤル」(0120-0-78310)に、子どもも保護者も電話で相談できます1012。


最終更新: 2026年10月

出典

  1. 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日、元文科初第698号) https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155.htm ↩
  2. 文部科学省「(別記1)義務教育段階の不登校児童生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けている場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」 https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155_00004.htm ↩
  3. 文部科学省「(別記2)不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」 https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155_00005.htm ↩
  4. 文部科学省「不登校児童生徒が欠席中に行った学習の成果に係る成績評価について(通知)」(令和6年8月29日、6文科初第1126号) https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155_00002.htm ↩
  5. 文部科学省「学校教育法施行規則の一部を改正する省令」(令和6年文部科学省令第24号) https://www.mext.go.jp/content/20240829-mxt_jidou01-000037819_02.pdf ↩
  6. 文部科学省「高等学校における不登校生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けている場合の対応について」(平成21年3月12日、20文科初第1346号) https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/04121502/1309943.htm ↩
  7. 文部科学省「高等学校等における多様な学習ニーズに対応した柔軟で質の高い学びの実現について(通知)」(令和6年2月13日、5文科初第2030号) https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kaikaku/1422988_00003.htm ↩
  8. 文部科学省「不登校児童生徒の出席扱い・成績評価について」 https://www.mext.go.jp/content/20260407-mxt_jidou01-000028870-001.pdf ↩
  9. 文部科学省「(別添3)民間施設についてのガイドライン(試案)」 https://www.mext.go.jp/content/1422155_004_2.pdf ↩
  10. 文部科学省「24時間子供SOSダイヤル」について https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1306988.htm ↩
  11. 文部科学省 事務連絡「不登校児童生徒の支援に係る情報提供等について」(令和5年7月31日) https://www.mext.go.jp/content/20230801-mxt_jidou02-000028870-10.pdf ↩
  12. 文部科学省「『24時間子供SOSダイヤル』周知のためのポスターについて」 https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1358681.htm ↩

二神大輝|埼玉県内の学習塾で取締役・塾長。大学受験と総合型選抜の指導歴10年超。

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