帝京大学 総合型選抜 基礎能力適性検査(英語)の傾向と対策|4セットを数えてわかった出題範囲

こんにちは、ふたがみです。

帝京大学の総合型選抜を調べると、志望理由書の書き方と面接の対策ばかりが出てきます。基礎能力適性検査の英語に何が出るのかを書いた記事は、ほとんど見つかりません。

「英語が苦手なんですが、総合型なら受けられますか」という相談をよくもらいます。答えを先に書きます。

帝京の総合型選抜は、200点満点で110点前後取れば多くの学科で合格しています。大学が公表している入試結果を集計した数字です。半分ちょっとです。

さらに言えば、英語を1問も解かずに出願できる方式もあります。

この記事では、総合型選抜と学校推薦型選抜、それに一般選抜を加えた4セットを分解して、帝京の英語が実際にどのくらいのレベルなのかを書きます。

結論

帝京の総合型選抜の英語は、高1から高2前半の範囲で、型が固定されている試験です。

大学が出題範囲を公表しています。英語コミュニケーションⅠ・Ⅱと、論理・表現Ⅰ。この3つだけです。英語コミュニケーションⅢと論理・表現Ⅱ・Ⅲは範囲外です。

そして毎回出る5つの型だけで、25問中24問を占めます。

基本情報

項目 内容
試験時間 1科目方式は60分。2科目方式は2科目通しで120分、3科目方式は180分(配分は自由・途中休憩なし)1
配点 200点満点。内訳は非公表1
出題範囲 英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ/論理・表現Ⅰ。英語コミュニケーションⅢと論理・表現Ⅱ・Ⅲは範囲外1
大問構成 長文2本と独立問題。設問は25問
解答形式 全問マークシート。英語に記述の解答欄はありません
合格者最低点(200点満点・2026年度) 中央値111点(55.5%)2
競争率(配点200点の総合型41区分) 中央値2.2倍(最小1.0/最大9.6)2

2科目方式は時間配分が自由です。これは戦略に効きます。英語に時間をかけるか、もう1科目に回すかを自分で決められます。

何割取れば受かるのか

帝京は学科ごとの合格者最低点を公表しています。配点200点の総合型選抜41区分について、2026年度の入試結果を集計しました。

指標 2025年度 2026年度
最小 57点 74点
第1四分位 88点 90点
中央値 100点(50.0%) 111点(55.5%)
第3四分位 108点 122点

学科別に見ても、2025年度は39.5%から60.0%の範囲に収まっています。

学部・学科 合格者最低点 得点率
理工学部 ロボティクス・AIコース 79点 39.5%
経済学部 地域経済学科 88点 44.0%
法学部 政治学科 98点 49.0%
教育学部 初等教育(こども教育コース) 100点 50.0%
文学部 心理学科 120点 60.0%

半分取れば戦えます。目標は6割に置いておけば、多くの学科で届きます。

ただし1つ注意があります。200点は総合型選抜の合計点で、英語だけの配点ではありません。内訳は非公表です。それでも「合格ラインが5割前後」という事実は、対策の組み方を大きく変えます。満点を狙う勉強をする必要はありません。

大問別の特徴

毎回出る5つの型で、25問中24問です

分析したのは次の4セットです。

記号 区分 年度
総合型 総合型選抜 2026
推薦 学校推薦型選抜 2026
一般25 一般選抜I期 2025
一般24 一般選抜 2024

設問の数は、総合型25・推薦25・一般25が28・一般24が30です。下の表はその内訳なので、各列を縦に足すとこの数になります。

設問の型で並べると、こうなります。

型 総合型 推薦 一般25 一般24
長文中の空所補充 5 7 7 8
文法4択の空所補充 5 5 5 5
語句整序(和文つき) 5 5 10 10
下線部の語句の意味・言い換え 4 2 2 2
内容照合(内容一致・英問英答) 5 2 1 2
指示語の具体的内容 0 2 1 0
主題・タイトル選択 1 1 0 0
第一アクセントの位置 0 0 1 1
和訳(記述) 0 0 1 2
筆者の心情 0 1 0 0

太字の5つが毎回出ます。総合型ではこの5つで24問。25問中24問です。

そして注目してほしいのが和訳(記述)です。一般選抜には出ますが、総合型と推薦には出ていません。総合型の英語は全問マークです。

本文は平易です。ここがいちばん効きます

セット 本文1の語数 本文2の語数 本文1の平均文長
総合型 2026 525語 269語 11.2語
推薦 2026 335語 251語 18.6語
一般25 515語 343語 20.6語
一般24 583語 310語 26.5語

総合型の本文1は、1文あたり平均11.2語です。一般選抜2024の26.5語と比べると、42%の長さしかありません。

これは対策の方向をはっきり決めます。長い複雑な構文を精読する訓練は、総合型では回収されません。平易な英文を速く処理する練習に振ってください。

難しい語には注が付きます

セット 本文1の語注 本文2の語注
総合型 2026 7 11
推薦 2026 8 12
一般25 11 7
一般24 31 11

総合型2026で注が付かなかった難しい語は、1語だけでした。

語彙の上限は実質B1(英検2級の前半あたり)と見ていいです。難関大の単語集を積む必要はありません。

文法は準動詞が突出しています

4セット合計で最も多かった項目です。

項目 4セット合計 出現
準動詞(不定詞・動名詞・分詞・分詞構文) 12 4/4
関係詞(関係代名詞・接触節) 5 3/4
前置詞・動詞の語法 5 3/4
名詞節・間接疑問など 3 3/4

準動詞が突出しています。分詞形容詞、完了不定詞、動名詞を取る動詞、といったあたりです。ここから始めてください。

テーマは学術論文ではありません

セット 本文1 本文2
総合型 2026 体験談 実用文
推薦 2026 体験談 科学ニュース
一般25 科学ニュース 実用文
一般24 時事・文化 科学ニュース

体験談、実用文、科学ニュース、時事。難関大で出るような抽象的な評論は出ません。

60分をどう配るか

総合型の25問を、解くのに必要な参照範囲で分けると、こうなります。

本文全体を読まないと解けないのは6問(24%)。残りの19問(76%)は、1文または下線部の前後1〜2文で解けます。

これが時間配分を決めます。

設問 目安の時間
文法4択・語句整序(本文と無関係) 10問 15分
本文1(525語)+設問 9問程度 22分
本文2(269語)+設問 6問程度 15分
見直し 8分

先に、本文と関係のない文法と整序の10問を片づけてください。ここは読解の時間を使いません。

そして長文は、設問を見てから該当箇所に戻る解き方にしてください。76%が局所参照で解けるので、頭から丁寧に読み切ろうとすると時間切れになります。

英語を1問も解かずに合格する道があります

これは知らない受験生が多いところです。

総合型選抜には課題作文方式があります。経済学部の4学科(経済・経営・観光経営・地域経済)と、法学部・文学部・教育学部で選べます。600字以内の課題作文で出願できます。

さらに英語外部試験の制度もあります。

制度 内容
点数換算 英検2級(1980以上)で英語80点、準1級(2304以上)で100点など
加点 英検準2級(1728以上)以上で5点または10点の加点。本学の試験科目で英語を選択していなくても利用できます

英検を持っているなら、英語を受けずに加点だけもらう選択肢があります。

ただし学部によって扱いが違います。点数換算の対象になるのは外国語学部と経済学部国際経済学科で、それ以外の学部では加点としての利用になります。加点は、本学の試験科目で英語を選択していなくても使えます。

なお、この扱いは2027年度の入学試験要項にもとづくものです。対象学部は年度によって変わることがあります。1

対策の順序

第1段階:準動詞を潰す(出願の3か月前まで)

文法の空所補充は毎回5問。4セット合計で最も多かったのが準動詞の12問です。不定詞・動名詞・分詞・分詞構文。

到達基準: 高2までの文法問題集の準動詞の章を、8割。

第2段階:語句整序を5問取れるようにする(出願の2か月前まで)

総合型と推薦は5問、一般選抜は10問。毎回必ず出ます。和文が付いているので、日本語から英語の型を組む練習になります。

到達基準: 和文つきの整序を、5問中4問。

第3段階:設問先読みの解き方に切り替える(出願の1か月前)

25問中19問は、1文か下線部の前後で解けます。全文を精読してから設問に行く解き方は、この試験では非効率です。

到達基準: 過去問1セットを、60分以内に解き終えること。

第4段階:500語前後の平易な英文を速く読む練習

総合型の本文は525語と269語、平均文長11.2語。長文の精読訓練は要りません。

語彙の覚え方に自信がなければ、英単語の覚え方を先に読んでみてください。

到達基準: 500語の英文を、辞書なしで7分。

第5段階:英検の取得を検討する

準2級以上で加点、2級以上で点数換算。英語の勉強が、そのまま出願条件の改善につながります。時間があるなら検討する価値があります。

過去問を解いたあとの復習のやり方は、過去問分析のやり方にまとめました。

次に読むなら、この1本

総合型選抜のすべて|受かる人の思考と準備の全体像

帝京の総合型は英語だけで決まりません。書類と面接を含めた全体像を先に掴んでおくと、英語にどれだけ時間を割くかの判断ができます。


この記事は2026年度入試までの出題を分析しています。最終更新: 2026年9月

出典

  1. 試験時間・配点・出題範囲・解答方式・英語外部試験の換算と加点。帝京大学「入学試験要項」(入試情報 資料ダウンロード)https://www.teikyo-u.ac.jp/applicants/download ↩
  2. 合格者最低点・競争率。帝京大学「2026年度入試結果」(2026年3月31日現在)https://www.teikyo-u.ac.jp/application/files/2517/8027/6619/nyushikekka_2026.pdf / 配点200点の総合型選抜41区分を集計 ↩

二神大輝|埼玉県内の学習塾で取締役・塾長。大学受験と総合型選抜の指導歴10年超。

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