明治大学商学部 英語の傾向と対策|過去6年分を分析してわかったこと

こんにちは、ふたがみです。

明治の商学部を目指している人に、先に1つだけ伝えたいことがあります。

明治商の英語には、記述問題が毎年8問出ます。

「明治商はマークだけ」と書いている対策記事があります。それを信じて準備すると、本番で8問ぶんを丸ごと落とします。6年分の問題冊子を1問ずつ数えたので、断言できます。2020年度から2025年度まで、1年の例外もなく8問です。

この記事では、その8問が何を聞いてくるのかを含めて、80分をどう使えば7割に届くのかを書きます。

結論

明治商の英語は、6年間ほぼ同じ設計で作られています。

大問4つ、80分、150点。記述は毎年8問で、全部が語形変化。和訳も要約も自由英作文も、6年間1問も出ていません。

出る形が読めます。読めるということは、準備できるということです。やることは多くありません。

基本情報

項目 内容
試験時間 80分1
配点(英語) 150点(3科目350点満点)2
設問別の配点 大学非公表
大問構成 4題。〔I〕文法・語法/〔II〕短い読み物と会話文/〔III〕〔IV〕長文
解答形式 マーク4択と記述の併用。記述は毎年8問(語形変化)1
合格最低点 245点/350点(70.0%・2026年度・学部別入試)3
試験日 2月16日2

英語150点は、3科目350点満点の43%です。国語100点・選択科目100点と並べると、英語だけが5割増しの配点になっています。明治商は英語で決まる、と言われるのはこの配点のためです。

何割取れば受かるのか

合格最低点は350点満点で245点。70.0%です。(学部別入試・2026年度)

この点数は大学が換算したあとの値として公表されているので、過去問の自己採点とそのまま比べることはできません。実務的な目安として、過去問では7割5分を狙ってください。英語150点なら112点前後です。

英語の配点が43%あるので、ここで7割を割ると他の2科目でかなり無理をすることになります。逆に英語で8割取れれば、国語と選択科目は6割台でも合計が届きます。時間の配分先として、英語は優先していい科目です。

大問別の特徴

先に数え方を1つ決めておきます。この記事で問題の数を言うときは、すべて「解答欄の数」で数えます。6年分の合計は290です。母数が290でない表には、その表が何件を分けたものかを見出しに添えました。

〔I〕は単語を知っているだけでは解けません

〔I〕は独立した1〜2文の空所補充で、毎年14〜18問。2022年度までは、いちばん解答欄の多い大問でした。

「基本的な問題だから落とせない」と書いている記事が多いのですが、中身を見るともう少し厄介です。6年分の選択肢の作られ方を分類したところ、誤答の作り方で多かった上位3つはこうでした。

〔I〕の選択肢160件を分けたものです。

誤答の作り方 延べ数 割合
意味は近いが、その名詞・場面と結びつかない語を並べる 45 28%
動詞は同じで前置詞だけ違う形を混ぜる 32 20%
イディオムの名詞部分だけ入れ替える 32 20%
この3つの合計 109/160 68%

狙われているのは単語の意味ではなく、語と語の結びつきです。単語集を1冊増やしても、この68%は埋まりません。

6年で実際に出た表現を挙げると、not one's cup of tea、keep 人 in the dark、on the tip of one's tongue、let alone、for good。どれも「知っていれば一瞬、知らなければ手が出ない」タイプです。だから対策は単語集ではなく熟語・語法集になります。

記述8問は、同じ引き出しから出ます

冒頭で書いた8問です。〔III〕に4問、〔IV〕に4問。動詞が語群で与えられ、空欄に合う形に変えて1語で書く形式です。

記述の解答欄は6年で48。その48を文法項目で分けると、こうなりました。

文法項目 出現数 割合
過去分詞の後置修飾・受動態 15 31%
現在分詞・動名詞 10 21%
一般動詞・不規則動詞の過去形 9 19%
現在完了・過去完了・完了分詞 5 10%
その他 5 10%
三単現の s 3 6%
分詞構文 1 2%

上位3つで48のうち34、71%です。準動詞と時制、それだけ。範囲は驚くほど狭いです。

そして採点が厳しいです。問題冊子に、字が薄い・小さい・読み取りにくいなど綴りがあいまいなものは不正解として扱う、という趣旨の注意書きがあります。マークと違って部分点がありません。頭でわかっていても、書けなければ点になりません。

2023年度に、重心が動きました

大問 2020 2021 2022 2023 2024 2025
〔I〕 17 18 18 14 14 15
〔II〕 2 2 3 6 8 9
〔III〕 12 12 11 16 11 16
〔IV〕 15 15 14 15 15 12
合計 46 47 46 51 48 52

2023年度が転換点です。〔I〕が18問から14問に減り、そのぶん〔II〕が3問から6問、8問、9問と増え続けています。

単文で知識をそのまま聞く問題が減って、文脈の中で判断させる問題に置き換わりました。

ここから決まることが1つあります。〔II〕の練習量を増やしてください。2020〜2022年度の過去問だけを解いていると、〔II〕が2〜3問の感覚のまま本番に行くことになります。直近の〔II〕は9問です。

分量は年で振れます

年度 2020 2021 2022 2023 2024 2025
本文の総語数 2,923 2,241 2,367 2,496 3,096 2,798

2,241語から3,096語。年によって855語の差があります。

そして1文の長さも振れます。長文2題の平均文長を見ると、重い年は24〜26語、軽い年は12〜13語。ただし2本ともが重い年は6年で1度もありません。必ず片方が軽くなっています。

冊子を開いたら、最初に〔III〕と〔IV〕をざっと見て、軽いほうから解いてください。この判断だけで数分変わります。

語彙はB2まで、ただし注は当てになりません

6年分の本文から標本として200語を抜き出してレベルを調べたところ、B2(英検準1級のあたり)までで本文の93.5%が読めます。B1までなら80.1%です。

上限はB2です。それより難しい語を積み増すより、B2までを取りこぼさないほうが効きます。

ただし注意が1つ。語注は当てになりません。先ほどの標本200語のうち、B2より上(C1・C2)の難しい語は31語ありました。そのうち注が付いていたのは4語だけです。同じくらいの難度でも、注が付く語と放置される語があります。注のない見慣れない語は、文脈と語形から推測して先へ進む練習が要ります。

80分をどう配るか

解答欄が46〜52と多い試験です。1つあたり100秒しかありません。

大問 解答欄の数 読む語数 目安の時間
〔I〕 14〜18 300〜400語 10分(1つ40秒)
〔II〕 2〜9 300〜760語 10分
〔III〕 11〜16 900〜1,420語 28分
〔IV〕 12〜15 960〜1,220語 28分
見直し 4分

〔I〕は知識で即決する枠です。1つ40秒を超えたら飛ばしてください。ここで粘ると長文2題が終わりません。

そして記述8問の時間を必ず残してください。マークと違って部分点がなく、綴りも採点対象です。慌てて書くと形は合っていても綴りで落とします。

対策の順序

第1段階:熟語と語法を150〜200本(高3春まで)

文法と語法を直接問う設問が、6年で116あります(文法85・語法31)。290のうちの4割です。単語集ではなく熟語・語法の型で埋めます。1冊を「どのページを開かれても答えられる」状態まで。複数冊のつまみ食いより効きます。

教材: 『英文法・語法 Vintage』または『NextStage』。

覚え方に自信がなければ、英単語の覚え方を先に読んでみてください。1単語2秒で回す方法は熟語にもそのまま使えます。

到達基準: 1冊を8割。

第2段階:語形変化を準動詞と時制に絞る(高3夏まで)

記述8問の71%が、過去分詞の後置修飾・分詞と動名詞・過去形の3つです。ここだけを集中的に、書いて覚えます。

到達基準: 語群から選んで形を変える問題を、綴りまで正確に書けること。頭でわかるだけでは足りません。

第3段階:〔II〕を厚めに練習する(高3夏)

2023年度以降、2〜3問だった枠が9問まで増えました。古い年度の感覚のままだと足をすくわれます。短い読み物と会話文の空所補充を、まとまった量でやってください。

第4段階:長文2題を時間内に処理する(高3秋以降)

〔III〕〔IV〕で56分。1題28分で「1,100語を読む+解答欄13」です。軽いほうから解く判断も、ここで練習しておきます。

第5段階:誤答の型を知ってから過去問に入る

〔I〕は結びつきのずらし・前置詞の差し替え・イディオムの部品すり替えで68%。長文の下線部言いかえは字面から連想させる型が最多。知ってから解くと、選択肢の見え方が変わります。

過去問を解いたあとの復習のやり方は、過去問分析のやり方にまとめました。

併願校に、この対策はどこまで流用できるか

明治商を受ける人は、早稲田商も受けることが多いです。

明治商 早稲田商
試験時間 80分 90分
本文の総語数(直近) 2,798語 4,341語
解答欄の数(直近) 52 70
解答欄1つあたりに読む本文 54語 62語
解答欄1つあたりに使える時間 92秒 77秒
記述で出るもの 語形変化のみ8問 語句整序・和文英訳・抜き出し
語句整序 6年で1 6年で21

マークの主力は共通です。下線部の言い換え、内容一致、空所補充の4択。ここは同じ練習で両方に効きます。

違うのは2点。

1つ目は、本文の量と解答欄の数の比が逆なことです。明治商は2,798語で52の解答欄、早稲田商は4,341語で70の解答欄。解答欄1つあたりに読む本文は、明治商が54語、早稲田商が62語です。明治商のほうが、少ない本文で次々に判断させます。

一方で、解答欄1つに使える時間は明治商が92秒、早稲田商が77秒。早稲田商は「多い本文を速く読み切る」試験、明治商は「短い本文から素早く根拠を拾う」試験です。同じ「速さ」でも中身が違うので、早稲田商の演習で明治商の密度に慣れることはできません。

2つ目は記述です。明治商の語形変化8問は早稲田商では出ません。逆に早稲田商の語句整序21は、明治商では6年で1だけです。記述は完全に別練習になります。

次に読むなら、この1本

早稲田大学商学部 英語の傾向と対策

明治商と早稲田商は、マークの主力が同じで記述だけが別物です。併願するなら、どこを別練習に回すかを先に決めておくと、夏以降の時間の使い方が変わります。


この記事は2025年度入試までの出題を分析しています。最終更新: 2026年9月

出典

  1. 試験時間・配点・大問構成・記述(語形変化)の有無。広大研「明治大学商学部の学部別試験(英語)の傾向と対策」https://hirodaiken.jp/blog/meiji-faculty_specific_exams-commerce-eng/ ↩
  2. 科目別配点・試験日。Benesse マナビジョン「明治大学 商学部 学科ごとの入試」https://manabi.benesse.ne.jp/daigaku/school/3318/nyushi/shou/index.html ↩
  3. 合格最低点(2026年度・大学独自の換算による点数)。旺文社 大学受験パスナビ「明治大学 商学部 合格最低点」https://passnavi.obunsha.co.jp/univ/3120/border/?facultyID=010 ↩

二神大輝|埼玉県内の学習塾で取締役・塾長。大学受験と総合型選抜の指導歴10年超。

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