立教大学 観光学部 総合型選抜(自由選抜入試)の傾向と対策|評定3.8と2,400字の課題作文

こんにちは、ふたがみです。

立教大学の観光学部は、日本でいちばん古い観光学部です。1998年に立教が観光学部を作るまで、観光を4年間学ぶ学部は国内にありませんでした。だから志望者が集まります。

年内入試は自由選抜入試の1つだけです。学校推薦型の公募制はありません。

この「自由選抜入試」が、立教における総合型選抜にあたります。他大学で「総合型選抜」「AO入試」と呼ばれているものと同じ枠です。立教は独自の名称を使っているので、検索しても出てこないことがあります。

そして倍率がはっきり高いです。

学科 募集人員 志願者 合格者 倍率
観光学科 9名 93 10 9.3倍
交流文化学科 9名 67 10 6.7倍

2026年度の実績です。観光学科は9.3倍。東洋大学の国際観光学部がAO型推薦で4.2倍だったので、その倍以上ということになります。

さらに、出願するだけで条件が4つあります。この記事では、その4条件と、2,400字の課題作文、そして当日の小論文・面接までを、2027年度の入試要項から書き出します。

結論

立教の観光は「出願できる人」がかなり絞られます。

評定平均値3.8以上。英検CSE 1,950以上。そのうえで、観光について語れる中身があること。この3つがそろって、ようやくスタートラインです。

そして出願時に2,400字の課題作文を書きます。当日の試験ではありません。夏のうちに書き上げるものです。

準備の重心は、当日ではなく出願書類にあります。

基本情報

項目 内容
学部・学科 観光学部 観光学科/交流文化学科(2学科)1
キャンパス 新座キャンパス(埼玉県新座市)1
年内入試の方式 自由選抜入試のみ(学校推薦型の公募制はありません)1
募集人員 観光学科9名程度/交流文化学科9名程度1
出願要件 評定平均値3.8以上+英語資格+資格Ⅰ〜Ⅳのいずれか1
選考 第1次=書類選考/第2次=小論文+面接1
日程 Web出願 9月1日〜9月10日/第2次選考 11月14日(土)1
専願・併願 併願の制限なし。ただし自由選抜入試の中で複数学科への出願は不可1
倍率(2026年度) 観光学科9.3倍/交流文化学科6.7倍2

学科をまたいだ出願はできません。観光学科と交流文化学科の両方に出す、ということができない仕組みです。どちらか一方を選んでください。

倍率で見れば交流文化学科のほうが低いですが、倍率で学科を選ぶのはおすすめしません。課題作文も面接も「なぜこの学科なのか」を見る設計になっているからです。

出願資格|4つすべてを満たす必要があります

① 評定平均値3.8以上

高等学校第3学年第1学期までの全体の評定平均値が3.8以上。

ここは動かせません。3.7では出願できません。まずここを確認してください。

参考までに、東洋大学の国際観光学部は学校推薦で3.6、AO型推薦は評定不問です。立教は年内入試の入口としては厳しい部類です。

② 英語資格

次のいずれかのスコアが必要です。

試験 必要なスコア
ケンブリッジ英語検定 140点以上
実用英語技能検定[英検] 1,950点以上
GTEC 930点以上
IELTS(Academic Module) オーバーオール・バンド・スコア4.0以上
TEAP 225点以上
TOEFL iBT 2026年1月21日より前の受験は42点以上/それ以降はOverall Score 3.0以上

4技能(Reading・Listening・Writing・Speaking)のスコアだけが有効です。2技能や3技能の結果は使えません。

そして出願期間の初日から遡って2年以内に受験したものに限ります。2026年9月1日が初日なので、2024年9月以降の受験分が対象です。

英検1,950は、東洋大学のAO型推薦(1,800)より高く、東洋の学校推薦(2,150)より低い水準です。

③ 観光学部で学ぶ強い意欲

要項に条件として書かれています。実質的には課題作文と面接で見られます。

④ 資格Ⅰ〜Ⅳのいずれか

ここが立教の観光でいちばん特徴的なところです。次の4つのうち、自分がどれに当たるかを選んで出願します。

資格 内容
資格Ⅰ 観光関連産業の経営、または観光による地域活性化のいずれかについて、明確な問題意識または将来構想を持ち、それを解決・実現する強い意欲がある
資格Ⅱ 観光関連産業の後継者で、経営を通じて社会に貢献する意欲と、経営に関する具体的なプランがある
資格Ⅲ 観光と社会・文化の関係について、自らの経験や知見にもとづいて具体的に説明でき、文化や社会に対する一定のビジョンがある
資格Ⅳ 12年以上の学校教育のうち、通算3学年以上を日本国外で修了し、その体験が観光学部への入学意欲に強く結びついている

資格ⅡとⅣは、当てはまる人が限られます。実家が旅館やホテルを経営しているか、海外に3年以上いたか。

多くの受験生はⅠかⅢです。

そしてⅠとⅢは方向が違います。Ⅰは「産業と地域を、どうしたいか」。Ⅲは「観光が社会や文化に、どう影響しているか」。前者は課題解決型、後者は考察型です。

自分の話がどちらの型なのかを、先に決めてください。選んだ資格によって、次の課題作文のテーマが変わります。

課題作文|出願時に2,400字

当日の試験ではありません。出願書類として提出します。

選んだ資格ごとに、書くテーマが決まっています。

選んだ資格 課題テーマ
資格Ⅰ 観光関連産業の経営、または観光による地域活性化について、明確な問題意識・将来構想を持つに至った経緯と理由、そして入学後の学習・活動計画
資格Ⅱ 経営を継承しようと決意した経緯と理由、社会に貢献する意欲、その具体的な構想と課題。継承しようとする企業・組織の名称と概要を作文中に明記
資格Ⅲ 観光が社会・文化のありようや人びとの価値観に与える影響について、具体例を交えて考察
資格Ⅳ 海外での経験が入学意欲に結びついた理由と、入学後の学習・活動計画

いずれも2,400字程度です。

書式も指定されています。A4判・横書き・20字×20行の原稿用紙に、黒または青のボールペン(消せるものは不可)で手書き。パソコンを使う場合はA4判・横書き・40字×30行です。

手書きなら原稿用紙6枚分です。書き直しが効きません。構成を固めてから清書してください。

そして専用の表紙が要ります。立教のサイトから「観光学部 自由選抜入試 課題作文表紙」をダウンロードして使います。

評価されるのは、内容・論理的構成力・文章表現力です。

資格Ⅰと資格Ⅲで、書き方が変わります

資格Ⅰは「経緯→問題意識→入学後の計画」の3部構成です。過去(なぜそう思ったか)と未来(大学で何をするか)の両方が要ります。

資格Ⅲは「考察」です。入学後の計画は求められていません。そのかわり具体例が必須です。観光が社会や文化に何をしたのか、事例で語れないと2,400字が埋まりません。

自分の手持ちの経験が、どちらに向いているかで選んでください。

選考|第1次は書類、第2次は小論文と面接

第1次選考(書類選考)

入学志願票・課題作文・調査書・英語資格の証明書を提出します。資格Ⅳで出す人は修了学年証明書も必要です。

合否は10月30日(金)にWeb出願システムのマイページで確認します。掲示も郵送もありません。

第2次選考(11月14日 土曜日)

時限 科目 時間
Ⅰ 小論文 10:00〜11:30
Ⅱ 面接 13:00〜

小論文は90分です。当日テーマが示され、そこから4つの力が見られると要項に示されています。論理を組み立てる力、題材を分析する力、文章で表現する力、そして学問としての基礎知識です。

注目してほしいのは4つ目です。感想文では届きません。観光を学問として扱う語彙が要ります。

そして小論文と面接が同じ日に並びます。午前に90分書いて、午後に面接です。体力の配分も考えておいてください。

日程

期日
Web出願期間 2026年9月1日(火)〜9月10日(木)
書類送付締切 2026年9月11日(金)(国内は消印有効)
受験票取得 2026年10月13日(火)
第1次選考(書類選考)合格発表 2026年10月30日(金)
第2次選考 2026年11月14日(土)
第2次選考合格発表 2026年12月7日(月)11:00
第1次手続期間 2026年12月7日(月)〜12月14日(月)
第2次手続期間 2027年1月18日(月)〜2月4日(木)

出願は9月1日から10日です。課題作文2,400字を手書きで仕上げる時間を逆算すると、8月中に本文を完成させておく必要があります。

入学金をいつ払うことになるか

入学手続が2段階に分かれています。第1次が12月7日から14日、第2次が2027年1月18日から2月4日です。

自由選抜入試には併願の制限がありません。ただし第1次手続は12月中なので、そこで一定額を納める形になります。一般入試の結果を全部見てから、ということにはなりません。

家庭で相談するなら、12月中旬に第1次の納入があるという前提で話してください。

英語資格の証明書も、発行に時間がかかります。夏休みの初めに請求してください。

対策の順序

第1段階:3つの数字を確認する(高2の終わりまで)

評定3.8。英検CSE 1,950。そして4技能。この3つです。

評定はもう動かせない時期に入ります。3.8に届いていないなら、この入試は選択肢から外れます。その場合は他大学の観光系を検討してください。この記事の最後にリンクを置いています。

到達基準: 評定と英語スコアが、要件を満たしていると数字で確認できていること。

第2段階:資格ⅠかⅢかを決める(高3の春)

自分の経験がどちらの型かを決めます。

課題解決の話ができるならⅠ。観光と社会の関係を考察できるならⅢ。両方書けるなら、素材が多いほうを選んでください。

到達基準: 選んだ資格の課題テーマを、口頭で3分説明できること。

第3段階:課題作文を書く(高3の夏休み)

2,400字を、手書きで原稿用紙6枚。いきなり書き始めないでください。

先に構成を作ります。資格Ⅰなら「経緯・理由」「問題意識」「入学後の計画」の3ブロックで、それぞれ800字前後。資格Ⅲなら「取り上げる具体例」「観光が与えた影響」「そこから見える価値観の変化」。

到達基準: 8月中に清書が終わっていること。

第4段階:観光の学問語彙を仕込む(高3の秋)

第2次選考の小論文は「基礎的学問知識」を見ます。オーバーツーリズム、観光まちづくり、着地型観光、DMO、サステナブルツーリズム。言葉を知っているかどうかで、90分の書きやすさが変わります。

立教の観光学部の教員が書いた本を1冊読んでおくと、面接でも効きます。

到達基準: 観光に関する新書を2冊読み、それぞれ200字で要約できること。

第5段階:90分で書く練習と面接(10月から11月)

第1次の合格発表は10月30日、第2次は11月14日。準備期間は2週間しかありません。

発表を待ってから始めると間に合いません。小論文の練習は、書類を出したらすぐ始めてください。

到達基準: 90分で1,000字前後の小論文を、構成を崩さずに書けること。

同じ分野で読むなら

観光系の学部は、大学ごとに求めるものがかなり違います。併願を考えるなら先に見比べてください。

立教が9.3倍なのに対し、東洋のAO型推薦は4.2倍、学校推薦は1.6倍です。併願先として東洋を押さえる意味は大きいです。

同じ大学で迷っているなら

立教の自由選抜入試は全12学部で実施していますが、学部をまたいだ併願はできません。観光学部で出すと決めたら、他学部には出せません。


この記事は2027年度 自由選抜入試 入試要項にもとづいています。最終更新: 2026年9月

出典

  1. 募集人員・出願資格・課題作文・選考方法・日程・出願書類。立教大学「2027年度 自由選抜入試 入試要項」https://exam-entry-sp.52school.com/rikkyo-html/admissions/undergraduate/guidelines/J_guideline/pdf/J_27guideline.pdf ↩
  2. 2026年度・2025年度の募集人員・第1次志願者数・最終合格者数・倍率。河合塾Kei-Net 大学検索システム「立教大学 入試結果(学校推薦型・総合型選抜)」https://search.keinet.ne.jp/2290/recommend/exam_result ↩

二神大輝|埼玉県内の学習塾で取締役・塾長。大学受験と総合型選抜の指導歴10年超。

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