探究・課題研究の進め方|テーマは「自分の違和感」から決める
こんにちは、ふたがみです。
「探究のテーマが決められない」「課題研究って、結局何をすればいいの?」。学校で探究の時間が始まったものの、手が止まっている人は多いと思います。
僕自身、大学の卒論でテーマを決めるまでにさんざん迷った覚えがあるので、この足踏みはよくわかります。
結論から言うと、探究のテーマは「立派な社会問題」からではなく、自分の違和感から決めるのが正解だと思っています。
この記事では、総合型選抜を専門に10年指導してきた僕が、テーマの決め方から深掘りの方法、志望理由書への接続までを順番に解説します。
探究・課題研究とは何か|なぜ総合型選抜で重要なのか
探究(課題研究)とは、自分で問いを立てて、調べて、考えて、自分なりの答えや提案を出す一連の活動のことです。いま高校では「総合的な探究の時間」が必修になっていて、避けて通れないものになっています。
そして総合型選抜では、この探究がほぼ主役級に重要になります。理由はシンプルで、大学が知りたいのは次の2つだからです。
- 本当に学びたいことがあるのか
- 自分で学びを進められる人間なのか
探究は、その両方をいっぺんに証明できます。「学びたい」と口で言うのは誰でもできますが、実際に問いを立てて動いた記録は嘘をつけません。
ただし、勘違いしないでほしいことがあります。求められているのは、コンテストで受賞するような立派な研究ではありません。見られているのは結果よりも過程と、「なぜきみがそれを調べたのか」という必然性のほうです。
探究テーマの決め方|「自分の違和感」から探す
うまくいかない典型パターンがあります。「SDGsっぽいから環境問題」「賢そうだからAI」。
こういう"借り物のテーマ"は、深掘りの段階で必ず失速します。自分の中に、問いを追いかけ続けるための燃料がないからです。
これまで指導してきた中で、探究がうまく回り出す生徒には共通点がありました。テーマが自分の生活のどこかと繋がっていることです。
だからテーマ探しの第一歩は、社会問題のリストを眺めることではなく、日常の「なんで?」「おかしくない?」をメモすることだと思っています。
- なんでうちの町の商店街はシャッターだらけなんだろう
- なんで部活の練習は、こんなに非効率なメニューのままなんだろう
- なんでおばあちゃんは、あんな雑な詐欺メールに引っかかりかけたんだろう
こういう小さな違和感で十分です。そして次に、その身近な問いを社会の問いへ接続します。
商店街のシャッターは、地方経済やまちづくりの問題に繋がっています。部活の非効率は、スポーツ科学や組織論の問題ですね。高齢者と詐欺は、情報リテラシーや福祉の問題になります。
きみ個人の違和感は、たいてい社会の大きな問題の"末端"です。だから小さく始めていいんです。むしろ小さく始めた方が、オリジナルの探究になります。
ひとつ注意があります。「受かりそうなテーマ」を逆算して選ばないでください。興味のないテーマで1年走り切ることはできませんし、面接で必ず見抜かれます。
そもそも進路もテーマも、きれいには逆算できません。この話は将来は逆算できない|B2B/B2Cと"情報戦"の進路で詳しく書きました。
課題研究の進め方|調べる・一次情報に当たる・小さく行動する
テーマが決まったら、進め方は3ステップで考えるといいです。
ステップ1:まず調べ尽くす
本とネットで、既存の情報を集めるところからです。ここでのポイントは「自分の問いには、もう誰かが答えていないか」を確認すること。
先行研究(先に誰かがやった調査・研究)を知らずに進めると、すでに答えの出ている問いを一人で考え続けることになってしまいます。図書館の司書さんに聞く、Google Scholarで検索してみる、あたりから始めてください。
ステップ2:一次情報に当たる
検索して出てくるのは、ほぼすべて二次情報(誰かがまとめ直した情報)です。探究の価値は、一次情報、つまり自分で直接見て、聞いて、集めた情報でほぼ決まります。
商店街がテーマなら、店主に話を聞きに行く。部活の練習がテーマなら、実際にデータを取ってみる。アンケートでも、現地を歩くだけでもいいと思います。ちなみに「高校生」という肩書きは最強で、大人は驚くほど話を聞かせてくれますよ。
僕自身、大学では英文学、『ジェーン・エア』という150年以上前の小説を研究していましたが、他人の論文を読むより、原文を自分で何度も読み直す方がずっと発見がありました。一次情報に当たるとは、そういうことです。
ステップ3:小さく行動してみる
調べて終わり、にしないでください。わかったことをもとに、提案をひとつ形にして小さく試してみます。ポスター1枚でも、SNSでの発信でも、10人へのアンケートでもいいです。
行動すると、必ず「想定と違う結果」が出ます。実はそのズレこそが探究の一番の深掘りポイントで、面接で語れる最高の材料になります。
うまくいった話より、うまくいかなくて考え直した話の方が、大学には響きますよ。
探究を志望理由書に接続する
探究は「過去にやった活動」で終わらせたらもったいないです。「大学での学び」に接続して、初めて総合型選抜の武器になります。型はこうなります。
違和感 → 問い → 調べたこと・やったこと → わかったこと → まだわからないこと → だから、この大学のこの学部で学びたい
鍵は「まだわからないこと」です。探究の終わりに残った問いが、そのまま大学で学ぶ理由になります。高校の探究で全部解決してしまったら、大学に行く理由がなくなってしまいますからね(笑)。
この先の書き方は刺さる志望理由書の書き方で詳しく解説しています。総合型選抜の全体像から掴みたい人は総合型選抜のすべてから読んでください。
まとめ
- 探究テーマは立派な社会問題からではなく「自分の違和感」から決める
- 身近な問いを社会の問いに接続すると、小さな違和感が探究になる
- 二次情報で調べ尽くし、一次情報で"自分だけの発見"をつくる
- 小さく行動して「想定とのズレ」を得る。それが深掘りと面接の材料になる
- 最後に残った「まだわからないこと」が、そのまま志望理由になる
総合型選抜の準備は、一人で抱え込むと判断に迷う場面が多いです。僕は個人の活動として、少人数だけオンラインでの伴走を続けています。
ご相談はきみだけ塾 公式LINEにて(受け入れ人数に限りあり)。

